札幌市出身の青木良祐さん(28)が、安平町内で起業を目指す人を発掘する「Fanfare(ファンファーレ)あびら起業家カレッジ」に合格し、今月から町の地域おこし協力隊として活動を本格化させている。近くシェアハウスを立ち上げるほか、本州から来る若者をターゲットに、町内で宿泊者同士や地域住民とのつながりを持たせたゲストハウスの開業を計画中。人口減少など地域が抱える課題の解決につながる取り組みが期待される。
青木さんは大学時代にワーキングホリデー制度を利用して2年間、オーストラリアに滞在。大学卒業後は都内で1年間働いた後、フリーランスとして独立し、映像制作やWEBデザイナー、カメラマンなど幅広い分野で活躍している。
「田舎過ぎず、でも都会過ぎない。夏と冬で見せる顔も違い、ちょっと滞在するのにすごくいい」―。今回、ゲストハウス開設に安平町を選んだのは、空港からのアクセス、行政からの手厚い支援や小さな町ならではのフットワークの軽さといった要素から。昨年末の最終プレゼンテーションでは東京、本州から来る10代後半から30代前半のノマドワーカーやフリーランスをターゲットに、新しい働き方を促進できるような環境の提供を提案。町の関係者からも「ビジネススキーム、地域課題の解決につながるプランが明確に構築されている」と高い評価を受け、今月1日付で同協力隊に着任した。
すでに開設に向けて物件を購入し、現在追分地区でシェアハウスを改修中。ゲストハウスはさまざまな人たちとDIYをしながら作っていく構想を練る。ゲストハウスをコミュニティーの場として確立させつつ、自身は利用者と地域住民の橋渡し役を担っていく。
「今はパソコン1台で仕事ができる時代。仕事一筋だった状況から、時間や場所にとらわれない自分らしい生き方、地域との関わりから新しい視点や価値観を見つけてもらえたら」と青木さん。その手助けを安平で展開していく考えだ。