平取・日高両町で、しわのある葉が特徴の冬の味覚「寒締めホウレンソウ」の収穫作業が最盛期を迎えている。
寒締めホウレンソウは冷気から身を守ろうと葉が縮み、養分を蓄え糖度を増す特徴を持ち、ビタミンC、カロテン、鉄、葉酸、ルテインなど体が必要とする多様な成分を含む。通常の栽培方法より栄養価が高まり、食味も向上するとされている。
平取町紫雲古津の香田文雄さんは、寒締めホウレンソウをビニールハウス1棟(594平方メートル)で栽培。昨年10月3日に種をまき、今月中旬に収穫を始めた。家族3人と従業員1人の計4人が手作業で収穫しており、約600キロの出荷を目指している。
今季のホウレンソウは、昨年の11月に気温が高く、年末年始に気温が低かったため糖度が高いという。
香田さんは大阪府出身で、2000年に平取に移住。2年間の研修を経て、03年に独立した新規就農者。今年で就農20年目を迎え、「(寒締めホウレンソウは)あくが少なく、苦味も無い。しゃぶしゃぶや鍋物でおいしく食べてもらいたい」と話した。
びらとり農協営農生産部の藤本義明次長は、「今年度は平取・日高両町の農家30戸が計5.2ヘクタールに作付けした。収穫は昨年12月20日に始め、2月末まで行われる。出荷量は35トン程度を見込んでおり、両町のAコープ、コープさっぽろ(トドック)、札幌みらい中央青果に出荷する」と話した。