白老町石山3の国道36号沿いで、漁業者の木下一志さん(42)が水産物販売店を開業した。白老の海で水揚げした新鮮な魚介類を提供する漁師直営の店。姉の盛永梨絵さん(44)と一緒に運営し、「白老の海の幸を多くの人に味わってほしい」と意気込んでいる。
木下さんは、地元漁師の3代目。父と共に「第28共栄丸」に乗り込み、白老漁港を拠点に漁業を営んでいる。「さまざまな魚介類が取れる白老の海の豊かさを地元の人たちに知ってほしい」。そんな思いから、直営店の経営に乗り出したという。
店は、元ガソリンスタンドの施設を活用。木下さんと盛永さんの家族らが総出で壁のペンキ塗りなど改修作業に当たり、昨年末にオープンした。きょうだいで立ち上げた店の名は「一雪(きみ)・水産」。白老を覆う純白の美しい雪をイメージして名付けた。
店では、前浜で水揚げしたスケトウダラ、マス、ホッケ、カレイ、タコ、ツブといった新鮮な水産物を提供。魚の一夜干し、みりん漬けなど加工品も販売している。木下さんは「毛ガニ、ウニなど季節ごとに取れる魚介類を店に並べていきたい」と張り切る。
盛永さんも「商品棚を手作りしてくれるなど、地域の方々の応援で開業することができた」と感謝し、「地元の野菜生産者とコラボして、魚介類と野菜を提供する機会も設け、白老の1次産業をアピールする場になれば」と言う。いずれは魚介類の炭火焼きを楽しめるスペースを店先に設けたい―と夢を膨らませる。
不定休で、営業時間は午前10時から午後3時。商品の全国発送にも対応している。また、産地直送通販サイト「食べチョク」にも登録している。今後、専用のホームページも開設する予定という。