白老町の「合同会社WakuWaku(わくわく)しらおい」が、地域振興をテーマにしたオンライン研修の配信を29日に計画している。地元学ネットワーク主宰の吉本哲郎さん(73)=熊本県水俣市=と、同社の代表でコミュニティーレストラン・グランマ(町大町)を営む林啓介さん(40)が、地域の力を引き出して人やまちを元気にする手法、実践例を伝える。同社は研修イベントの参加者を募っている。
吉本さんは水俣市職員時代、水俣病問題で長く苦しんでいたまちを再生するため、住民協働のまちづくりを推進。住民自らが地域の魅力を探して磨きを掛け、地域振興につなげる活動を後押しした。地元をよく知り、見詰め直して新たな活動や事業を生み出すことで、郷土への誇りを取り戻す手法を「地元学」と名付け、その運動は各地に広がりを見せている。
「地元学・生活感幸その先へ~結果的に地域が盛り上がる白老の事例」を主題としたオンライン研修では、吉本さんが「地元学ってなんぞやって話」をテーマに実践例などを紹介する。
岡山県出身の林さんは2018年に白老町へ移住。地域おこし協力隊員となり、ゲストハウス(民泊)の経営、白老の日常を旅行者に体験してもらう観光プログラムの運営、商品開発など地域振興の事業を次々に創出した。現在は地元の女性高齢者らが料理の腕を振るうグランマを拠点に活動している。人や食材、風土、文化といった地元資源を発掘し、住民とのつながりの中で事業を創出する動きは、地域創生のモデルケースとして各方面から注目を集めている。
オンライン研修で林さんは「結果的にまちおこしになっているらしいよ」と題し、これまでの自身の活動などについて話す。林さんは「人と人のつながりを楽しむ中で、これがしたい、あれがしたいとみんなが思い始め、それが新たな価値を生み出していく。結果的に地域が元気になる取り組みについて多くの人に伝えたい」と言う。
研修は、参加者が各自のパソコンで受ける形で、配信は午後2時から。午後6時半から「オンライン懇親会」も開く。定員100人で、料金は3500円。チケットはウェブサイト=https://wakuwaku-shiraoi1.peatix.com/=で購入できる。グランマ(定員6人)でも研修が受けられる。問い合わせはグランマ 電話0144(85)2870=水・日曜は定休=。