浦河高校の課題研究12班の3年生3人はこのほど、町内に住むインド人を主とした外国人に向けて、病院の利用方法を掲載したヒンディー語、英語、日本語のパンフレットを製作した。
同班のメンバーは、班長の谷川愛実さん(18)と芦田桃さん(同)、長谷川彩さん(同)の3人。「浦河町に住む外国人が健康に暮らし続けるためには?」のテーマで昨年5月に研究活動を始めた。
町内で外国人が増加していることを受け、外国人が日本の生活で困っていることを調べると、インターネット上のアンケートで多くの外国人が日本の病院を利用しにくいと答えていることが分かり、病院の利用方法を紹介したパンフレットの製作に取り組んだ。
町役場保健福祉課、浦河赤十字病院など医療機関の関係者、町内在住の外国人に取材し、情報を収集。その中で「インドと日本の医療制度の違い」「症状の伝え方や日本語で書かれた問診票の書き方に戸惑っていること」などを知ったという。
パンフレットは、約7カ月かけて3カ国語で製作。取材を通じて分かった外国人が困っていることについて重点的に載せたほか、浦河赤十字病院以外の病院を知らないとの声があったため、町内全ての医療機関の場所を掲載した。誰でも簡単に見られるように電子版でも作り、役場や総合文化会館内に貼ったポスターからQRコードを読み取るとアクセスできる。
完成に当たり谷川班長は「私たちの作った冊子で、たくさんの外国人がより健康に過ごせるように手助けをしたい。パンフレットをもっと多くの外国人に知ってもらえるようにしたい」、芦田さんは「牧場などの外国人労働者にぜひ活用してもらいたい」、長谷川さんは「(外国人へ)健康に暮らせるようにという思いが伝わればうれしい」と話した。