厚真町出身のシンガー・ソングライター、小寺聖夏さんによる凱旋(がいせん)コンサート「2022新たなスタート」が15日、町総合福祉センターで開かれた。自身のオリジナル曲など、アンコールを含め8曲を歌い上げた。成長した姿を披露し、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けている町民に元気と希望を届けた。
地元ではこれまでもイベントなどでたびたび出演する機会はあったが、単独コンサートは16年以来となる。
現在は活動拠点を東京から北海道に移しており、ステージでは自身のCD「声が出る限り」にも収録されている「Grasp」や「Even if」「声が出る限り」、胆振東部地震の復興を願って自ら手掛けた「羽」などを熱唱。中島みゆきさんの「ファイト」、槇原敬之さんの「どんなときも」といった曲も歌った。
感染症が急激に増えている状況を踏まえ、「ライブをやっていいのか考えたが、歌で元気を届けたい」と今回のステージへの思いを語った小寺さん。最後は「つらいことや乗り越えなければいけないことはあるけれど、笑顔になれる日が来ると信じて歌い続けたい」と気持ちを新たにしていた。
会場には多くの町民が足を運び、地元ゆかりの歌姫に温かい拍手や花束が贈られた。公務員の渡辺洋平さん(46)は「何曲も聴いたのは初めてだったので、よかった。またコンサートをやってもらいたい」と話していた。
国内外で活躍する和楽器ユニット「和心ブラザーズ」による太鼓と津軽三味線、地元の和太鼓団体「厚真郷芸保存会」による迫力満点の太鼓の演奏もあり、会場は盛り上がった。