厚真町が2023年度中の完成を目指す役場新庁舎の建設に向けて、役場機能と周辺エリアの在り方を町民が話し合う「厚真にぎわい会議」が、11日で全4回の日程を終えた。町は同会議で寄せられた意見、アイデアなどを盛り込みながら、役場庁舎と周辺施設の再編についての考えをまとめた「基本構想・基本計画」を3月末までに策定する予定だ。
同会議は、昨年10月から計4回にわたってワークショップ形式で実施された。役場新庁舎と周辺施設について、庁舎は防災機能を持ち、その周辺は人が集まれるような場所に再編するため、町民や町内で働く人などから意見や要望を募るのが狙い。参加者には、防災力向上と町民が集う居場所づくりについて意見を求めてきた。
最終回のこの日は、オンラインを含めて約40人が参加。参加者からは周辺施設の機能充実を求める意見が多く挙がった。庁舎とその他の公共施設となる総合福祉センターや総合ケアセンターゆくりなどを移動する際には「いったん外に出るのではなく、(渡り廊下のように庁舎と他の公共施設をつなぎ)室内で直接移動できるようにしてほしい」「(現在の役場庁舎から距離のある)上厚真地区の住民にとって、さらに雨が降っても使いやすいように」などの声があった。「(交通面でスムーズに進むよう)混雑する時間帯の工夫を」といった声も寄せられた。
町が描く役場新庁舎は、町民にとって▽コンパクトで分かりやすい▽サービスが手厚い▽手続きがスムーズといった行政施設を意識しているほか、災害発生時には災害対策本部を置くなど、防災機能を持つ施設。現庁舎は胆振東部地震で最大震度7の揺れに耐えた歴史的価値のある建造物として保存し、耐震性能を確保した上で、厚真の歴史を振り返る展示や学習、埋蔵文化財、ものづくり体験ができる場所として利活用することを検討している。
4回の会議を終え、町は寄せられた意見などを反映させて「基本構想・基本計画」の最終案をまとめ、町民へのパブリックコメント(意見公募)を行った後、同計画を完成させる。