集大成の一年が幕を開けた―。駒大苫小牧高女子野球部が11日、同校グラウンドで今年最初の練習を行った。1、2年生39人が2週間ほどの冬休みを経て再集結。雪が積もったグラウンドで汗を流した他、樽前山神社=苫小牧市高丘=にも参拝。全学年がそろう創部3年目の春を待ちわびながら、目標に掲げる全国制覇へ決意を新たにした。
一面銀世界のグラウンド上で、元気よく白球を追った。夏の甲子園連覇の実績を誇る男子部が長年取り組んできたおなじみの雪上トレーニング。けが防止のため念入りに準備運動をした選手たちは、ポジション別のノックや個人の課題練習に取り組んだ。
茶木圭介監督は「休み明けで気合に欠ける選手もいるかなと思っていたが、全体的にいい雰囲気で臨めていた」と目を細めた。
開始日の1月11日の設定には意味がある。創部当初から掲げる日本一へ「1番にこだわりたい」と指揮官。樽前山神社参拝時も、1の並んだ午後1時11分を待って選手、指導者が神前に拝礼した。
昨年は3度の全国大会を経験し計2勝を挙げたが、7月の全国選手権(兵庫県)は2回戦で神村学園(鹿児島県)に2―3で競り負け。続く8月の全国ユース大会(愛知県)では、初戦の2回戦でクラーク記念国際仙台(宮城県)に0―2と惜敗した。
「心技体」の技術、体力は全国の強豪に引けを取らないことが確認できた。あとは、どんな戦況でも自分たちの力を発揮し切れる心の強さを磨くだけ。「日々の練習でやってきたことが、そのまま試合に出る。今は雪上や寒さといった不安定な環境の中で、いかに自分たちを追い込めるかが大切」と藤井華子主将(2年)は気を引き締めた。
他のキープレーヤーも悲願達成に向け鼻息は荒い。中堅手を担う宮崎杏耶(2年)は「最後の1年を悔いなく終わりたい。守備力を評価してもらっている。自信を持ってプレーできるようにしたい」。
打力に定評がある三塁手の八木虹(2年)は、昨年夏に調子を落とし一時主力の座を奪われたことを振り返り「堅実な守備ができるように、基本の動きを体に染み込ませたい」と力が入った。