20日の安平町議会定例会で町長選(来年4月12日告示、同17日投開票)への再選出馬を表明した及川秀一郎氏(56)。胆振東部地震で校舎を失い、現在も仮設校舎で学ぶ早来中学校の再建など震災復興をはじめ、反対の意思を示す産業廃棄物最終処分場建設への対応などさまざまな課題を挙げ、「まだまだ私が目指すまちづくりを達成できていない」と立候補の理由を語った。
「若さを武器に全力疾走」「ピンチをチャンスに」を掲げてスタートした及川町政。達成率にして80%程度と述べる1期目で掲げた公約に関しては、小中一貫教育の導入や学びを挑戦につなげる独自の教育事業「あびら教育プラン」をスタートさせた。移住施策や道の駅を拠点とした回遊交流、手ぶらキャンプといった独自の経済活性化やデマンドバスの運行など一定の手応えはあった。
しかし、就任わずか4カ月ほどで胆振東部地震による大きな被害に見舞われ、復興を進めるさなかで新型コロナウイルス感染症の対応にも追われた。避難所から仮設住宅で暮らす町民の住まいの確保は昨年までに完了したが、被災した早来中学校の校舎完成は来秋になる見通し。震災で加速した人口減少に歯止めを掛けるための移住定住施策も急がれる。現在分析を進めている震災復興アンケートで浮かび上がった町民の不安や不満といった日常対策にも耳を傾ける考えだ。
加えて、早来北進地区で民間が建設を目指している産廃最終処分場への反対、JRや医療機関の支援などは長期的な取り組みが必要になる。並行して早来、追分の両地区で同じ機能を持つ施設について、統合や機能の見直しによる改修を図り、行政改革にも乗り出す。
及川氏はコロナ禍で「町民と触れ合う機会が少なかった」とこれまでを反省し、2期目においては「町民と触れ合う機会を増やし、丁寧に声を拾っていきたい」と意気込む。
及川氏は一騎打ちとなった2018年の町長選で初当選を果たし、来春2期目に挑む。