むかわ町鵡川地区のまちなか再生検討会メンバーでつくるプロジェクトチームが、胆振東部地震で被災した中心街にある空き店舗のリノベーションに乗り出した。来春までに店舗を改修し、チャレンジショップなどを想定した利活用をスタートさせる考え。町の空き店舗の利活用について検証するモデル事業として位置付けられており、震災以降、空洞化するまちなかの活性化に期待が持たれる。
2018年9月に発生した地震で、鵡川地区のメインストリートは店舗併用住宅の全壊や大規模半壊が相次いだ。多くの建物が解体され、空き地、空き店舗が顕著になっていた。
これを受けて鵡川地区のまちなか再生検討会コアチーム「空き地・空き店舗に新たな価値を生み出すプロジェクト」で空き店舗の活用を模索。町内松風にある居宅兼洋品店の店舗フロア約70平方メートル、調理室13・5平方メートルを使用できるようリノベーションを進める。7日は町職員やプロジェクトメンバーをはじめ、ボランティアなどにも手伝ってもらいながら、震災の爪痕がそのまま残る室内の片付け作業を行った。
同プロジェクトでは、飲食や物販などのチャレンジショップのほか、子ども食堂などにも店舗を活用してもらい、自然と人が集まる場所になることを期待。来春のスタートに向け施設の名称、運用ルールなどを決めていくほか、説明会を通して利用を呼び掛けていく。
リーダーの小坂幸司さん(54)は「希望を持てるような場所にしたい。やりたいと思っても(経費などの面で)できない人がスポット的に使うことで、独立するきっかけにもなれば大成功です」と構想を描く。