厚真町内の学校現場で、地域の魅力を外国人に英語でPRする「APR」の学習が活発化している。特に中学校では、生徒が外国語指導助手(ALT)ら専門講師を相手に英語で対談するのが主流で、語学スキルは年々高まっている。学校関係者らが知恵を出し合い、地元にいながら質の高い英語教育を繰り広げている。
厚南中学校(石田憲一校長)では11月末、2、3年生がALTや外部の講師らを相手に「厚真をよりよくするために」をテーマに英語でプレゼンテーションした。このうち、2年生は地元にコンビニエンスストアや陸上競技場の設置を求める内容を発表。タブレット端末で画像を見せたり、身ぶり手ぶりを交えたりして意思疎通に努力したほか、一方的に話を伝えるのではなく、途中でALTらが質問を投げ掛けた際には、気後れせずに受け答えをしていた。
日野さくらさん(14)は「アドリブなども入れながら、頑張って話した。ちゃんと伝わっていたと信じたい」と振り返る。今後の目標について「道に迷って困っている外国人がいた時に、助けてあげられるようになりたい」と語る。
APRは、英語教育に力を入れる町が、独自に展開するユニークな試み。英語と総合的な学習の一部を組み合わせた町独自のカリキュラム「コミュニケーション科」の授業として実施している。
現状について、町内の学校関係者は「個人、学年で差はあるが、中学生については何気ない会話ができるようになっている」と話す。この取り組みに10年ほど関わってきた厚南中の大塚謙二教諭は「APRのいいところは、(外国人との対話を)即興でやればやるほど英会話がうまくなること。子どもたちは緊張すると思うが、この緊張を乗り越えることが成長につながっていくのでは」と今後の語学力アップに期待をしている。