白老町は3日、東京2020五輪(7月23日~8月8日)聖火リレーのトーチとユニホームを紹介するコーナーをJR白老駅内に開設した。お披露目式では白老の聖火ランナー山道ヒビキさん(32)と山本宏さん(61)が参加し、トーチに込めた共生社会への思いが伝われば―と述べた。
道内の聖火公道リレーは6月13、14日に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。同13日の白老コースの公道リレーも取りやめになったものの、ランナーが手に持つ予定だったトーチやユニホームを多くの人に見てもらいたいと、白老駅内の観光PRブースにコーナーを設けた。
お披露目式では、戸田安彦町長が「公道リレーはコロナの影響でかなわず、点火式のみとなったが、たくさんの人々にトーチを見てもらいたい」と述べた。白老での点火式で代表ランナーを務めたアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)職員の山道さんは「さまざまな違いを認め合う大切さをトーチに込めた。その思いが伝われば」とし、陸上自衛隊北海道補給処に勤務する山本さんは「白老で生まれ育った身として、駅に飾られたトーチが地元のPRに役立つことを願う」と語った。
白老駅のコーナーは来年1月下旬まで設置。トーチとユニホームの他、6月13日にウポポイ近くで行われた点火式の様子をビデオ映像や写真で紹介している。また、8月16日に町内のアイヌ民族記念広場で行われた東京パラリンピック(8月24日~9月5日)の聖火採火式の際、使用された聖火皿を来年1月下旬まで白老駅北観光インフォメーションセンターに飾る。
五輪マークを施したトーチはアルミ合金製で高さ71センチ、重さ約1キロ。アイヌ文様をデザインした陶器の聖火皿は高さ15センチ、直径29センチで、町内の陶芸作家やアイヌ文様刺しゅう作家が製作に関わった。