東京競馬場で28日に行われた中央競馬第41回ジャパンカップ(G1、芝2400メートル)で、最後の直線を抜け出し2着馬に2馬身差で優勝を手にしたコントレイル(牡4歳)。引退レースで有終の美を飾り、関係者やファンを感動に包んだ。新冠町美宇の生産者ノースヒルズ(前田幸治代表)ではレース後、鳴海修司町長や関係者が駆け付け、歓喜に沸いた。
同牧場では20人ほどのスタッフがレースをテレビで応援。ゴールの瞬間は大声援が上がり、牧場の岡研二育成マネージャー(41)は「ここ一年勝てなかったので不安もあったが、今回は位置取りも良かったし、直線を抜けたときは優勝を信じていた。本当にうれしい」と喜びをかみしめ、スタッフの佐藤寛さん(62)は「ゴール板を駆け抜けたときは立ち上がって喜んだ。最後のレースだけに本当に感動した」と語った。
同牧場生産馬では、日本ダービーを2013年にキズナ、14年にワンアンドオンリーが連続制覇したほか、桜花賞や秋華賞を制したファレノプシス(GI3勝)など、中央競馬で活躍する名馬を多数輩出している。
コントレイルは、日本競馬史上3頭目の無敗クラシック3冠馬として名を残した。岡マネージャーは「子どもの頃は、シュッとしていてかわいかった。父馬のディープ(インパクト)にとてもよく似ていた」と振り返った。
鳴海町長は「コロナ禍で大変な時に、地域はもちろん全国に夢と希望を与えてくれた。引退は惜しまれるが、今後は子どもや孫に受け継いでいってほしい。おめでとう、そしてありがとう」とたたえた。