少年野球の苫小牧ときわ澄川ライオンズがこのほど、文部科学大臣表彰の2021年度生涯スポーツ優良団体に選出された。苫小牧西部地区の競技者減少によるチーム存続の危機を乗り越え、野球を通じた青少年の健全育成に寄与してきた。寺島正吉監督は「これまでチームに携わってこられた方々の一年一年の積み重ねが受賞につながった。これからも笑顔で全力プレーをコンセプトにチームづくりをしていきたい」と決意を新たにした。
地域や職場におけるスポーツ普及、振興などに大きく貢献した団体が選出される同表彰。今年度は123団体が受賞し、道内からは5団体が名を連ねた。ときわ澄川は少年野球大会への積極参加、競技を通じた子どもたちの仲間意識や一体感の促進、ごみ拾いなどの地域貢献活動が評価された。
現チームは15年4月に、ときわライオンズ(1976年設立)と澄川ヤンキース(75年設立)が合併し誕生した。それぞれ澄川小校区の児童を中心に西部地区で40年近くにわたって活動していたが、競技者の著しい減少によって単独出場が厳しくなって手を取り合った。
潤沢とは言えないものの、毎年十数人ほどで選手数は推移。19年からは単独出場ができない白老少年団と合同で各大会に挑んできた。今季は5月の全日本学童軟式野球南北海道大会苫小牧支部予選で3位に入り、チーム初のスタルヒン杯全道大会(旭川市)出場権を獲得したが、新型コロナウイルスの影響で大会は中止になった。
気落ちすることなく地道に練習に励んだ選手たちは苫小牧市内の全チームが集う最後の一戦、苫小牧宅建協会旗争奪大会(10月)で見事優勝。主将だった田中愛子(澄川小6年)は「みんなで楽しく声を掛け合ってプレーできた」と胸を張る。
小学5年生以下の新チームは11人と再び少人数になるが、寺島監督は「コロナ禍でも選手たちは変わらず元気にやってくれている。厳しい時代の中でも活動を継続させていくことが大切」と話す。田中幸汰新主将(澄川小5年)は「元気と笑顔が途切れないチームになっていきたい」と意気込んでいた。