むかわ町穂別地区の「穂別高齢者グループホームみのり」で、職員が入居者に暴言を吐くなど精神的虐待行為に及んだとして町は22日、記者会見を開いた。同施設は町の指定管理施設で、町は運営する法人に対し、業務内容の改善指導を行った。竹中喜之町長は「当然あってはならないこと。施設を設置する町としても大変重く受け止めており、入居者の方々をはじめ、ご家族の皆さまに不安とご心配をお掛けした」と謝罪した。
「穂別高齢者グループホームみのり」(定員9人)は、同町穂別の指定管理者、社会福祉法人愛誠会が運営している。
町によると、8月11日に胆振総合振興局に虐待を疑う案件についての通報が匿名であり、同13日に同振興局から町に連絡があった。これを受けて監督権者でもある町は高齢者虐待防止法に基づき、10月11日から5日間かけて、グループホームの職員や入居者に聞き取り調査を実施。職員の1人が耳の不自由な入居者らに対し、大声で怒鳴ったり、命令口調の言葉遣いをしたことを確認した。現在、入居している高齢者9人のうち、少なくとも5人が怖がるなどの拒否反応を示しているという。
別の職員が注意したが、時間がたつにつれ、言葉遣いが荒くなる傾向が続いていたという。当該職員は精神的虐待をしていたことを認め、現在は法人内の別の業務に就いている。
町は虐待行為が確認されたとして、同法人に13日付で▽虐待についての早急な対応および入居者の安全確保▽研修体制の見直し▽事故発生時等の報告体制の再検討▽ケアの質向上に向けた取り組みの検討―などを文書と口頭で指導。
入居者家族への対応も早急に進めるよう指導し、同法人は19日に入居者9人の家族に対する説明会を行った。また、町は業務の改善計画書を12月10日までに提出するよう同法人に指示し、継続的に指導に当たる。
竹中町長は「一日も早く、入居者の皆さまが安心して生活できる環境を早急に整備するよう改善指導を進めていく」と話した。