2018年9月に発生した胆振東部地震で大きな被害を受けた厚真町の吉野、富里、高丘の北部地域3地区の住民が共同で使うことができる集会場として、富里地区に建設中の「北部地域防災拠点施設」(仮称)の現場見学会が20日に開かれた。3地区に住む町民が参加し、施設の機能性などを確認した。
町によると、建物は木造平屋建て、延べ床面積約320平方メートルで、市街地から北部地域に向かった所にある富里大橋の近くに建設した。施設内にはコミュニティー機能を持たせたホールを確保したほか、洋室、和室がそれぞれ2部屋と管理人室などがあり、調理場やシャワールームも設けている。
また、災害時の一時避難施設としての機能も想定し、防災備蓄庫や非常用発電設備も設置。建設費は1億4000万円(設計、造成費は除く)を予定している。
北部地域の3地区では、3年前の地震の際、富里地区にあった集会所を兼ねた高齢者生活自立支援センターならやま、吉野地区の生活館が倒壊。高丘地区は建物こそ無事だったが、裏山が崩れ、危険な状況になっていた。
防災拠点施設は12月下旬に完成予定。富里地区在住の深澤章子さん(48)は「人が集まる施設が土砂で流され、どこに行ったらいいのか分からない状態だったが、集まる施設があると安心感がある。北部地区の防災施設になったので、どんな使い方をしていくのか、今後楽しみ」と笑顔を見せる。町の大坪秀幸復興担当理事は「皆さんに使ってもらってこその施設。ぜひ使って喜んでいただけたら」と話している。