駒大苫小牧高校野球部が13日、同部グラウンドで現役部員と卒業生による交流戦を開いた。新型コロナウイルス感染対策を徹底しながら、夏の甲子園連覇など数々の輝かしい実績を誇る実力校を巣立った道内外の歴代OB約30人が集結。年代の垣根を越え、攻守に気迫のこもったプレーが披露された。
試合は9イニング制で行われた。主導権を握ったのは大学生や社会人選手中心に構成されたOBチーム。四回に2005年夏の甲子園優勝メンバーの青地祐司さん(34)が代打で登場し、初球をレフトスタンドにたたき込む3点本塁打。その後は苫小牧駒沢大(現北洋大)4年時に道学生野球秋季1部リーグで優勝に貢献、現在はクラブチームのウイン北広島で活躍する土井凜太郎さん(23)の適時打などで2桁10点を挙げた。
投げては17年の春季北海道高校野球大会優勝メンバーの工藤稜太さん(東海大札幌キャンパス4年)、山彰太さん(同)ら大学生投手陣が現役チームの追撃を許さず、10―2でOBチームが快勝した。
六回に適時二塁打で一矢報いた現役チームの三次陸矢(3年)は、関東の強豪大進学を目指す一人。「大学や社会人で活躍するOBとの実力差をすごく感じた。もっと練習を頑張らないと」と気を引き締めた。
交流戦は「高校卒業後もいろんなカテゴリーで野球選手として活躍しているOBがたくさん居る。駒沢とはどんなチームなのかを知ってもらうきっかけに」と佐々木孝介監督(34)が数年前から構想を練ってきた。新型コロナの感染者数に一定の落ち着きが見えたことから、参加人数を限定した上で実施を決意。09~10年の主将で今企画実行に奔走した中山俊さん(29)=東日本国際大―鷺宮製作所内野手=は「駒苫らしい、最後まで諦めない姿勢や強い気持ちの部分を現役選手の一人にでも伝わったらうれしい」と笑みをこぼす。
03年の夏の甲子園に主将として出場した土島直也さん(35)は「OBのつながりの強さを感じた日になった」と喜ぶ。試合後の昼食を提供した野球部OB会の白崎和城事務局長(41)は「これからもチームの伝統をしっかりと引き継いでいってほしい。卒業生たちはいつでも応援している」と呼び掛けた。
佐々木監督は「貴重な一日になった。卒業したら終わりではなく、次は自分たちが後輩たちを支える存在になっていってほしい」と現役選手たちに期待を寄せた。