白老町の萩野小学校(田村雅嘉校長、児童数132人)で13日、開校100周年記念式典が開かれた。児童や教職員、学校運営を支えた地域住民が出席。1世紀にわたり激動の時代を地域と共に歩み、多くの卒業生を送り出した歴史を振り返り、節目を祝った。
体育館を会場とした式典は新型コロナウイルス対策で参加人数を絞り、教職員と6年生、感謝状を贈る地域住民に限定。来賓のあいさつなどは事前収録の動画で行った。
式では、同校の歩みを写真などで紹介するビデオを上映した後、開校100周年記念事業協賛会の小嶋孝之会長が動画による主催者あいさつで「多くの卒業生が各界、各地で活躍しているのは萩野小の誇り。日本の将来の担い手を育む場として今後も発展していくことを願う」と述べた。
また、戸田安彦町長ら来賓が同じく動画で同校の節目を祝い、「目標や夢を持って努力し、輝かしい未来をつくってほしい」と児童にエールのメッセージを贈った。引き続き、長年にわたり登下校児童の見守りやあいさつ運動に取り組んできた吉田末治さん(74)ら地域住民や、萩野・北吉原青少年育成協議会、校区を守る会など団体に田村校長が感謝状を贈呈した。
この後、6年生を代表して小畑咲さんが「学校を支えていただいた方々に感謝したい」と述べ、最後に田村校長が「これからの100年に向けて新たな一歩を踏み出したい」と決意を示した。
萩野小は1921年に敷生尋常小学校知床特別教授場として開校し、28年に敷生尋常小から独立して知床尋常小に。日本が太平洋戦争へ突き進んだ41年には、軍国主義教育を行う萩野国民学校となった。敗戦後の47年、学制改革で校名を現在の萩野小に変更した。
児童数は地域の発展に伴って増え続け、80年には25学級987人の大規模校となった。少子化や人口減少で児童数は徐々に減ったものの、これまでに約6200人の卒業生を送り出した。
戦争や高度経済成長、長期の景気低迷などさまざまな時代をくぐり抜けながら教育活動を展開してきた同校の節目を祝うため、PTAや教職員、地域住民らが昨年10月、100周年記念事業協賛会を設立。校地での記念看板の設置、全校児童による「100年」人文字のドローン撮影、記念誌の作成などに取り組んできた。