むかわ町の穂別高校(小野達彦校長)の3年生は12日、地学基礎の一環で穂別博物館の櫻井和彦館長を講師に迎えた特別授業を行った。穂別地区で発掘されたハドロサウルス科の植物食恐竜「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)をはじめとする古生物化石や変成岩について学んだ。
櫻井館長は、穂別地区の地質について、樽前山や恵庭岳のような火山噴出物がなく、「ほとんど堆積岩でできており、穂別地区やこの近くでは火山活動がなかった」と紹介。その上で、かつて海面だった場所が地層になり、むかわ竜やクビナガリュウ、モササウルスなど多くの化石が埋没し、見つかっていることなどを説明した。
また、化石の種類として死体や遺物、生活の中で残したとされる足跡や巣穴など生痕化石があること、化石の調査を通じて地層の時代や当時の環境などが分かることを力説。「過去のことを調べているが、調べることで現在とのつながりが分かり、未来の予測もできる」と話した。このほか、石こうなどを使ってミニレプリカ作りにも挑戦し、アンモナイトの形をしたレプリカを実際に作った。
小塚空さん(17)は「レプリカを作って学芸員の方と同じような仕事を体験したが、博物館で展示されているものは本物のように作られていて、改めてすごいと感じる」と実感。穂別地区で見つかっている化石についても学び、「今までティラノサウルスのような目立つ存在しか知識がなかったが、穂別でしか見られない恐竜や生き物がいることが分かり、将来このことが自慢できると思った」と胸を躍らせた。