日本ハムの新庄剛志新監督は奔放な言動に注目が集まる一方、野球に対しては人一倍ストイックだ。派手な装いで臨んだ4日の就任会見後に応じた合同取材で、その一面が見えた。
2006年限りで現役を退いた。その年の4月、試合後にお立ち台で突然の引退宣言。故障などで一線級のプレーが難しくなったことが理由とされている。自身に厳しいその姿勢を、監督として選手に求める考えのようで「実力の世界なので、下手な者にユニホームを脱いでもらうのは仕方ない。毎年すごい選手が入ってくるので」と話す。
ただ、選手時代の経験を基に「何とかしがみついて、人が寝ている時に練習すればいいことだから」とも。会見中、川村浩二球団社長は新監督を「綿密な戦略を立て、陰での努力を惜しまない方」と評した。
34歳の若さで引退する一因になったけがに関しては、ケアの重要性を説く。始動に際してまず選手に伝えたいのは、全てのプレーに共通して大事な股関節の柔軟性。体の準備が足りずにけがをした場合、「痛い、痛いと言うようなら、もう使わない」と言い切る。
16年ぶりとなる球界復帰で、プロでの指導者経験はゼロ。その手腕は未知数だが、緻密さの一端もうかがわせた。「自分は意外と考える人間、考えてなさそうで。まあそれが作戦なので」。近年は低迷している古巣を、「新庄流」の指導法で立て直す。