白老青年会議所(JC、笠井雄太郎理事長)は10月30日、「熱中白老JCスクール」と題した講座イベントを白老町総合保健福祉センターで開いた。世界最高齢のプログラマーや冒険家らが講師を務め年齢に関係なく挑戦したり、学び続けたりする大切さを呼び掛けた。
白老JCは「学びによる豊かなまちの創造」を今年の活動スローガンに掲げており、具現化する取り組みとして今回の講座イベントを企画した。IT(情報技術)普及に努める若宮正子さん(86)=東京=、ITや医学の独立系研究者として活躍する浅田一憲さん=札幌市=、北極冒険家の荻田泰永さん(44)=神奈川県=が講師を務めた。
若宮さんは、金融機関を定年退職する直前に独学でパソコン技術を習得。学びを深め、81歳で高齢者向けのスマートフォン・ゲームアプリを開発し、「世界最高齢のプログラマー」として注目を集めた。現在はNPO法人ブロードバンドスクール協会理事やデジタル庁のデジタル社会構想会議メンバーとして活躍している。
講座で「デジタルのすすめ」をテーマに話した若宮さんは、「インターネットの利用を高齢者に促したり、高齢者が使いやすい機器やアプリ開発が私の役目」とし、自身が運営に携わっているネット上の老人クラブについて紹介。豊かで便利な社会生活に向けては、高齢者もデジタル機器を使いこなす必要性を指摘し「人生100年時代を有意義に生きるためには、絶えず変化する世の中を踏まえて、学び続けることが大切」と述べた。
続いて、医学とメディアデザイン学の二つの博士号を持ち、研究活動を続けている浅田さんは「チャレンジのすすめ」と題して講話。生涯学習を推進する一般社団法人熱中学園(東京)の熱中小学校江丹別分校(旭川市)校長も務めている経験を踏まえ、生涯にわたり学び、挑戦する重要性を伝えた。北極圏などでの単独徒歩行に挑み続けている荻田さんは、「冒険のすすめ」をテーマに話した。
会場には約50人が集まり、3人の講義を通じて生涯学習や学び直しの大切さに理解を深めた。講義の内容はオンラインでも配信された。