北洋大野球部はこのほど、上川管内愛別町で行われた1部秋季リーグ第4節で函館大に1勝1敗と互角の戦いを演じた。特に3―1と競り勝った2回戦は、公式戦初先発の柳原颯人(3年)=北海道栄高卒=が初めて勝利投手に。成田登夢主将(3年)=長野松本国際高卒=は不調の中で先制の2点適時打を放ち、強敵撃破に大きく貢献した。
「やっと1勝できてうれしかった」と相好を崩したのは柳原。先発した12日の2回戦は5回3分の2を投げて2安打無失点。積極的にバットを振ってくる函大打線をチェンジアップやカットボールでうまくかわしながら打ち取った。「0点にこだわって投げた」と胸を張る。
1―6で敗れた11日の1回戦は八回途中から3番手で登板。投手陣の屋台骨を支えてきた福田翔大(2年)=駒大苫小牧高卒=、臼井大輝(3年)=埼玉狭山ケ丘高卒=が打ち込まれたが、1回3分の1を無失点と手応えをつかんでいた。
大滝敏之監督は「変化球がいい所に決まっていた。来年は何とか一本立ちしてほしい」と期待する。
課題は2回戦で五つ与えた四球。「カウントがボール先行になるとずるずるいってしまう」と柳原。「投球フォームを見直して、マウンドの傾斜をもっと有効に使えるようにしたい」と語った。
成田は8月21日の第1節以来18打席ぶりの安打がチームを勝利に導く一打になった。一回1死満塁で迎えた第1打席。相手投手の竹下瑛広(3年)は先頭に四球を与えるなど、特に変化球の制球に苦しんでいた。「狙い球を真っすぐに絞っていた」とフルカウントから内角低めの直球を右翼前に運んだ。
「やっと一本が出たのはうれしかった」と成田。ただ、その後は快音が響かなかった。春季リーグから打撃不振に陥り、バットを構える位置やタイミングの取り方など試行錯誤する日々を送ってきたが「もやもやはまだ消えていない」と吐露する。
19、20両日の最終節は対戦予定だった旭川大が新型コロナウイルスの影響で辞退したため、今季のゲームは終了した。成田は「自分が打てればチームがもっと楽に戦える」と来春に向けて飛躍を誓っていた。