第74回秋季北海道高校野球大会室蘭支部予選第6日は16日、Bブロック2回戦2試合が行われた。苫小牧中央は鵡川にサヨナラ勝ち、好機を得点につなげた苫小牧工業は北海道栄に快勝し、代表決定戦へ進んだ。17日は調整日。18日は駒大苫小牧―室蘭栄、苫小牧中央―苫小牧工業のA、Bブロックの代表決定戦が行われる予定。
▽Bブロック2回戦
鵡 川
100000101 ―3
001010002x―4
苫小牧中央
(鵡)後藤―木川
(苫)斉藤―上野
?佐々木(苫)
?木川、古田(鵡)高橋(苫)
苫小牧中央は1点を追う九回、3死球の満塁から捕逸で走者2人が一気に生還して逆転した。先発斉藤は3失点の完投。
苫小牧中央の先発斉藤優汰 初回から制球が定まらなかったけど、守備の助けもあって勝てた。代表決定戦も全員野球で全道出場を決めたい。
北海道栄
000001000―1
00020030X―5
苫小牧工業
(北)川端、濱中、久保―花見
(苫)長舩―岩本
?松本(苫)
苫小牧工業は1点リードの七回1死満塁から3番松本の二塁打などで3点、北海道栄を引き離した。主戦の長舩は要所を締めて1失点の好投。
―鵡川、悔しさ糧に再起誓う
「言葉にならない。野球って難しい」。鵡川の小池啓之監督は悔しい敗戦に声を絞り出した。
1点リードで迎えた最終回、鵡川に悲劇が襲った。1死後、後続の連続死球などで2死満塁のピンチ。捕逸で同点を覚悟した瞬間、まさかの二塁走者まで生還を許してあっけない幕切れ。完投した後藤(2年)は「実力不足。練習するしかない」と肩を落とした。
プロ注目の苫小牧中央のエース斉藤(同)からは散発5安打。一回に先制の適時二塁打を放った木川主将(同)は「振り下ろすイメージで打った」と話すが、チームは全体的に真っすぐに対応できずに11三振。
春までのオフで打力強化を目指すことになる。木川主将は「スイングの基本から鍛え直す。この悔しさを忘れず、練習に取り組みたい」と再起を誓った。
―苫工・松本、試合決める一打
苫小牧工業の3番松本(2年)が試合を決める一撃を放った。七回の打席で高めの直球を捉え、あわや満塁弾の二塁打で2点を挙げた。
苫工への進学を決めたのはウトナイ中3年時の2019年春。エースとして苫工を全道大会準優勝に導いた兄・凜大さんの活躍を見て「公立でも勝てる」と決意した。
入学後は度重なるけがに苦しんだ。昨年6月、自家用車で部活動の帰りに交通事故に遭い、背骨や顔の骨などを折る重傷、復帰まで約3カ月を費やした。今年4月にも練習試合で右手を骨折し、夏の大会直前まで戦線離脱した。
夏の大会では古傷をかばいながら打撃不振に悩んでいただけに「秋の大会も不安はあったけど、調子が上がってきてひと安心」と笑み。代表決定戦に向けて「次こそは本塁打を打って兄が活躍した円山に行きたい」と意気込んでいた。
―道栄、貧打に泣く
貧打に泣いた北海道栄。苫小牧工業のエース長舩(2年)の力強い直球と変化球を織り交ぜる投球に苦しみ、4安打に抑え込まれた。
反撃は4番花見の犠飛による1点だけ。柳原主将(2年)は「伸びのある球に詰まらされた」と振り返った。
春の全道大会で背番号1を背負い、準優勝に導いたエース濱中(同)は、三回からリリーフして七回まで投げたが5失点。144球を投げた苫小牧東戦の疲労もあってか、精彩を欠いた。「自分が引っ張ろうと思って投げたけど、制球の乱れを修正できなかった」。
糸瀬監督は「練習不足も感じた試合だった」とこぼした。守備では内外野の連係ミスも課題となった。柳原主将は「守備からリズムをつくるチームなので、冬の期間で堅い守備を磨いていきたい」と語った。