2021IIHF女子アイスホッケー世界選手権は8月20日(日本時間21日)から12日間、カナダ・カルガリーで開かれた。カナダ(世界ランキング2位)が米国(同1位)を延長戦の末、3―2で下して優勝した。日本(同6位)は過去最高成績の6位に入った。来年の北京冬季五輪に向けて弾みとなったスマイルジャパンの激闘を振り返る。 5チームによって行われた1次リーググループBで日本は3勝1敗。世界ランキングではグループトップだったが、格下相手に苦戦もあった。
ハンガリー(世界ランキング10位)にこそ4―1で快勝したが、デンマーク(同11位)は1―0、ドイツ(同8位)は2―1の接戦。チェコ(同7位)には0―4の完封負けだった。
課題は得点力だった。好機を生かし切れず、シュート数だけ積み重なる試合が目立った。FW大澤ちほ主将は「ゴール前のバトルで勝てるようにならなければいけない。リバウンドといった2次、3次攻撃につなげられるように磨いていきたい」と話す。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、国際試合の機会が失われた影響も大きかった。飯塚祐司監督も「実戦感覚を取り戻すまで時間がかかった。そんな中でも7試合を戦い抜いたことは評価したい」と語った。
1次リーグ2位で通過した日本は準々決勝で米国と対戦し、2―10の大敗を喫した。「世界王者」との大一番は、力の差も感じさせ、ほろ苦さを残す試合となった。
5位決定トーナメントでは本来のスマイルジャパンの力が見えた。1回戦でチェコに3―2で競り勝ってリベンジ。ロシアとの5位決定戦は0―2で敗れたが、互角以上に押し込んだ局面もあり、格上相手に善戦して見せた。
大会までの代表活動は国内で行ってきた合宿に限られたが、その中で力を入れてきた体力強化は成果が表れた。体で当たり負けずにパックを保持する力や走り負けない体力は格上にも通用した。飯塚監督は「フィジカル面は大幅に成長できた部分。気後れすることなく、体をぶつけることができた。選手の自信にもつながっているので、さらなる強化を図りたい」と語った。