札幌市は29日、同市中央区在住の40代男性が新型コロナウイルス感染症のデルタ株(インド型の変異株)の感染が疑われると発表した。デルタ株が確認されたのは道内初。男性は軽症で自宅療養中。間もなく療養を終えるため入院の必要はないという。濃厚接触者は同居する家族だけで検査では陰性。
市によると、男性はネット通販の業務に携わっており、発症したのは19日。発症の数日前にデルタ株の感染が確認されている関西地方に往来していた。男性は自宅勤務で仕事以外に感染可能期間(発症の2日前)に家族を除いて接触はなく、デルタ株の疑いが判明したため、再度家族の検査を行う。
男性は発熱症状を自覚しPCR検査で陽性となり、札幌市のスクリーニング検査でデルタ株の疑いが判明。市は早急にゲノム(遺伝子)解析を行うとしている。また、男性が接触した感染リスクの低い2人の顧客の検査も行うという。
デルタ株は従来株に比べ感染力が強く重症化しやすいとされる。
札幌市保健福祉局の山口亮感染症担当部長は「今後、感染流行が想定される。初期段階でできる限り感染拡大のスピードを抑え、医療機関への負担を減らさなければならない」と話し、市民に手指消毒、三密回避、換気など基本的な感染防止対策の徹底を呼び掛けた。