新型コロナウイルス感染拡大に伴う道への緊急事態宣言が解除されてから初の週末を迎えた25～27日、苫小牧市内の歓楽街には若者や少人数のグループが姿を見せ始めた。しかし、団体客はまばらで、にぎわいはいま一つ。商業・観光施設も人出が完全には戻っていない様子だった。コロナ禍でも人気のキャンプ場は晴天にも恵まれ、家族連れの笑顔が広がった一方で、まん延防止等重点措置区域の札幌市などからの利用客受け入れを見送った。

　■市内中心部の飲食店では

　錦町に昨年12月にオープンした「北海道しゃぶしゃぶ　鷹」を運営する「Smileup」の桑田徹取締役常務（37）は「団体客より少人数で来店、予約される方が多い。ランチ営業も継続しながら様子を見ていきたい」と話した。

　屋台通り錦町横丁の「まさる寿し」店主山本勝宏さん（67）は「時短営業は解除されたが、油断はできない」と喜びも半ば。「また大きいクラスター（感染者集団）が出て、宣言と解除の繰り返しにならないことを祈る」と語った。同横町の「メキシコ料理　トペコンヒーロ」の菅原春さん（48）は「不安はあるが通常営業で7周年を迎えられたうれしさが大きい。顔を出してくれる常連にも感謝したい」と笑顔を見せた。

　■商業施設・カラオケ店は

　柳町のイオンモール苫小牧は25～27日、駐車場に多くの車両が見られ、市内外から買い物客が訪れた。だが緊急事態宣言前と比べると少なく、担当者は「27日より、買い物代金の割り引きがあった20日の方が来店者が多かった」と話す。

　元町のカラオケ歌屋苫小牧店は宣言解除後の21日から営業を再開。週末の利用客は1～3人と少人数のグループが多かったという。彌左拓摩エリアマネジャー（30）は「（まだ）利用を控えている方も多い。店としては感染防止対策を徹底したい」と話した。

　■観光・行楽地では

　樽前のオートリゾート苫小牧アルテンでは、札幌市をはじめ緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の対象地域からの利用自粛を呼び掛け、予約受け付けを一時中断した。21日から7月11日（宣言・重点措置期間）までに予約があった505組の予約もキャンセルせざるを得なかったという。

　キャンプサイトとコテージ合わせて237区画のうち25日は25組、26日は100組、27日は10組前後が訪れた。次の週末（2～3日）も86組の予約があるが平日はゼロの日も。宮田哲也社長は「早く規制が解除され、多くの方にキャンプを楽しんでほしい。8月からの最盛期へ向けて万全の態勢を敷き、お客さまを迎えたい」と期待を込めた。

　26日、永福町から家族5人で訪れた会社員の菅原隆介さん（40）は「感染再拡大に不安も残るが、予防をしっかりとして子どもたちと楽しみます」と話し、妻と2人で楽しんだ室蘭市の小野直樹さん（45）は「東京は再び増加傾向で心配もあるが、宣言解除待ってましたという思い。外なので少しは気が楽に楽しめるかな」と喜んだ。

　港町の海の駅ぷらっとみなと市場は25日から、SNS（インターネット交流サイト）を活用した特売も始めており、市場事務局の青谷尚人さんは「先週末と比べて来場者が1000人は増えた」と語る。各店では「2カ月ぶりに来た」という声も聞かれ、「宣言中に来られなかったお客さんが戻ってきている」と好感触。来場者の増加に伴い「改めて感染対策を徹底する」と気を引き締めていた。