道内に対する新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が解除され、苫小牧市内の中学校や高校では、原則休止とされていた部活動の再開が本格化している。合唱部や美術部、演劇部といった文化系の部の生徒たちは、約1カ月ぶりの活動に「わくわくしている」などと意気軒高だ。
道教育委員会や市教育委員会は、今月20日までの緊急事態宣言期間中は部活を休止し、高体連や中体連の大会などに出場する部に限って、練習を認めていた。今後も7月11日までは時間や人数などを精査し、感染防止策を徹底させた上で実施するよう求め、難しい場合は中止としている。
青翔中学校(鏡武志校長)は25日まで定期テスト期間だったため、同日放課後から文化部の活動を再開。部員16人の合唱部は感染症対策のため、学校の中庭で隣の部員と3メートル程度間隔を空けながら発声練習に取り組み、周囲に爽やかな歌声を響かせた。
「筋力と同じように長く活動していないと、声帯の響かせ方や呼吸の仕方に関する感覚も鈍り、ゼロからのスタートとなる」と語るのは、同部を指導する小柳直美教諭(49)。部員たちはそれぞれ自宅で発声練習を続けてきたが、3年生の政二華奈部長(15)は「以前よりも声が出にくい気がする」と首をかしげつつ、「部活がない時間は寂しかった。みんなで8、9月のコンクールで金賞を目指したい」と笑顔を見せた。
東中学校(五十嵐昭広校長)も、期末テスト明けの25日に部活動を再開させ、美術部は制作途中で中断していた切り絵の完成を目指す。顧問の伊東亜紀子教諭(45)は「他の生徒から刺激を受けたり、協力したりして制作を楽しんでもらいたい」と話す。
南高校(高橋昭仁校長)の演劇部は、22日から本格始動。部員10人は発声練習時もマスク着用を徹底し、演技中は部員同士の距離を保つなど感染対策に気を配る。9月に高文連の大会を控え、2年の長谷川さや部長(16)は「やっと動きだせ、わくわくしている。限られた時間でベストを尽くしたい」と意気込む。
昨年は、地域活動が軒並み中止となったボランティア部も小学生向けのイベントを計画。顧問の久我口忠義教諭(58)は「少しずつ例年の状態が戻りつつある。身近でできる活動から取り組んでいければ」と述べた。