道は18日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、本道全体に発令されている緊急事態宣言を20日で解除し、「まん延防止等重点措置」に切り替える21日以降の対策を決定した。重点措置の対象となる「措置区域」は札幌市とし、飲食店の酒類提供は午後7時までとするなど強めの対策を行う。対策期間は7月11日まで。記者会見した鈴木直道知事は「札幌市の感染者数をもう一段、減少させるため、全道で感染防止行動の徹底を図る対策に取り組んでいく」と述べた。
緊急事態宣言下で酒類提供の終日自粛を要請していた札幌市内の飲食店には、午後8時までの時短を要請し、酒類提供は条件付きで午後7時まで認める。▽同一グループの入店は4人以内▽アクリル板の設置▽座席の間隔の確保▽食事中以外のマスク着用―など感染対策の徹底を求める。カラオケ設備も利用しないよう要請する。
札幌市内の百貨店など大型商業施設の営業時間は午後8時までとし、宣言下で実施している土日の休業要請は行わない。イベントの人数上限は5000人とし、学校の部活動は原則休止。道立・市立施設の原則休館も継続する。
宣言下で「特定措置区域」として札幌市と同様の対策を行った小樽市、旭川市、石狩管内7市町村(千歳、恵庭市など)は、段階的緩和の観点から道独自に「経過区域」と位置付け、飲食店への午後9時までの時短を要請し、酒類提供は午後8時までとする。
一方、他の市町村の飲食店に対しては、時短や酒類提供自粛の要請は行わない。ただ、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が続く札幌市との不要不急の往来自粛を求めるほか、学校の部活動は活動を厳選し、感染症対策の徹底を要請する。
会見した知事は「変異株の感染力の高さを踏まえると、今後も予断を許さない状況が続いていく」と強調。21日以降も「いま一度、全道が一つになって取り組みを進めていかなければならない」と道民に協力を求めた。
■道の主な対策(期間6月21日~7月11日)
【まん延防止等重点措置の措置 区域(札幌市)】
・飲食店などの営業時間は午後8時までの時短を要請。酒類提供は一定の要件を満たした場合は午後7時まで。
・飲食店などのカラオケ設備の利用自粛。
・イベント人数の上限は5000人。
・大型商業施設など集客施設の営業時間は午後8時までの時短を要請。土日の休業要請は求めない。
・学校行事(運動会・体育祭・修学旅行など)の中止・延期・縮小、部活動の原則休止。
・市営交通(地下鉄・市電)の終電繰り上げ。
・道立施設・市立施設は原則休館。
【その他の市町村】
・札幌市を除く緊急事態宣言下の特定措置区域(旭川市、小樽市、石狩管内の7市町村)は「経過区域」として飲食店などの営業時間は午後9時までの時短を要請。酒類提供は午後8時まで。
・札幌市との不要不急の往来は控える。
・食事は4人以内など少人数、短時間で、深酒はせず、大声は出さず、会話の時はマスクを着用する。
・イベント人数の上限は1万人。
・学校の部活動は活動を厳選(時間、人数、場所など)し、感染症対策を徹底する。