新型コロナウイルスの北海道への緊急事態宣言が5月16日に発令されてから、1カ月が経過した。胆振管内の日別新規感染者数は5月29日にピークの36人に達したが、6月に入ってからは減少傾向。道が5段階で示す警戒ステージも、宣言当初の「5」から「3」に下がった。感染状況は抑制されつつあるが、苫小牧保健所は「気を緩めずに予防を」と訴えている。
管内の日別新規感染者数は、ゴールデンウイーク明けから急速に増加し、5月8日から17日連続で10人を上回った。宣言発令後も感染者数は高止まりし、同25日を除き6月4日まで2桁台が続いた。
宣言期間中に新たなクラスター(感染者集団)も12件発生。内訳は福祉施設4件、学校3件、飲食店2件、ホテルと幼稚園が1件、市役所で1件。胆振総合振興局は感染力の強い変異株に置き換わり、無症状の感染者が家庭内や事業所などで、無意識のまま感染を広げていると指摘する。
一方、6月に入ってからは新規感染者の減少が目立ち、5日以降は10人を下回る。12日には宣言中で初めてゼロになるなど、感染状況は落ち着きを見せている。外出や往来の自粛要請などに伴う人流抑制が奏功しつつあるようだ。
感染者数は道が示す最も深刻な「警戒ステージ5」も脱した。同指標は、人口10万人当たりの週合計新規感染者数が25人以上で、5月は9~15日(39・8人)、同16~22日(45・2人)、同23~29日(39・5人)と3週連続で超えたが、今月14日の時点で5・1人まで下降。「警戒ステージ3」となっている。
苫小牧保健所は「地域住民皆さんの協力で、感染状況が改善に向かっている」と分析した上で「気が緩むと再拡大が懸念される」と強調。「引き続き手洗いやマスク着用など、基本的な感染予防を」と対策の徹底を求めている。