新型コロナウイルスワクチン接種の体制強化をめぐり、苫小牧市の岩倉博文市長と市医師会の沖一郎会長が15日に市役所で開いた記者会見。独自の「職域接種」を始める新体制に、両者は「全国的にも聞いたことがない取り組み」と強調した。市内65歳以上の接種率は12日現在43.9%で、全道26.8%を大幅に上回る早さ。市長は「緊密な連携で一日も早く接種を完了できるよう努める」と意気込んだ。
独自の職域接種、常設集団接種とまこまいワクチン接種センターの開設などを発表しながら、沖会長は「他の地域に比べ、早くワクチン接種ができている」と説明。背景の一つとして、市と市医師会が共同出資する一般財団法人、ハスカッププラザなどを通して、緊密な協力、連携体制を築いていることを挙げた。
一方、全国的にもワクチンの打ち手不足が課題となる中、接種センターのマンパワーを確保するため、看護師資格を持つ離職中の看護師らを募集していることをアピール。現ワクチンは終生免疫を得られず、来年以降も接種が必要になる可能性を示唆し、「切れ目ないしっかりした体制をつくりたい」と述べた。
また、岩倉市長は今回の体制強化を踏まえ、すでに市民会館で8月分の集団接種を予約した高齢者に対し、7月の接種センター利用を促す考えで、「65歳以上の方の接種を少しでも早期に終了したい」と意欲を示した。「最初から個別接種、集団接種、巡回接種の三つの枠組みをつくり、取り組みは間違っていなかった。これからがいよいよ本番」とさらなるワクチン接種の加速を誓った。