苫小牧市内のデイサービス施設などでつくる市通所介護連絡会と市小規模多機能型居宅介護連絡協議会は8日、在宅支援に携わる介護従事者も、高齢者施設従事者と同様に新型コロナウイルスワクチンの優先接種の対象とするよう求める要望書を市に提出した。市は東胆振でもクラスター(感染者集団)が発生していることから、在宅介護従事者も優先接種に含める方針を示した。
同連絡会の富樫優代表と同協議会の井上浩介会長、訪問介護などを行う幸楽の井上良子代表が、市役所で岩倉博文市長に要望書を手渡した。井上代表は、感染への不安を抱えながら高齢者の在宅生活を支える介護現場の実情を明かし、「少しでも安心して支援できるよう、ワクチン優先接種の対象にして」と訴えた。
市側は、デイサービスや訪問介護など在宅・訪問サービスの介護従事者を優先接種とするかの判断は、市町村に委ねられていることを説明。事業所と従事者の両者が高齢の患者・濃厚接触者に介護サービスを提供する意思がある―といった国が示す要件を満たした場合、優先接種の対象にする考えを示した。
事業所側から提出された対象者リストを基に、7月上旬に接種券を発行する予定。詳細は検討中だが、福祉用具を取り扱う事業所や訪問入浴の事業所なども対象とする考え。
富樫代表は「介護スタッフはもちろん、利用者やその家族にも具体的な説明ができるようになったので、安心してもらえるのでは」と語った。