アイスホッケーの米国ジュニアリーグUSHLのシーズンを終えた苫小牧出身の安藤優作(17)が、オフを苫小牧で過ごしている。今年7月に予定されている北米リーグNHLドラフトで指名有力候補に名を連ねている実力者。指名を受ければ日本人FWとしては初の快挙となる。苫小牧で本紙の取材に応じ、「日本人プレーヤーとして初ゴールを決める選手になりたい」と抱負を語った。
海外での競技経験を重ねてきた安藤は、中学2年時の2017年からカナダへアイスホッケー留学し鍛錬を積んだ。19年には本場の米国に渡り、USHLのトライアウトに合格。ヤングスタウン・ファントムズに入団し、2019~20シーズンで8ゴール17アシストの25ポイントをマークした。
昨季の20~21シーズンは米国も新型コロナウイルスの猛威にさらされた。20年12月に安藤自身もコロナに感染。約2週間、発熱やせき、めまいの症状に悩まされた。完治した後も3週間ほどメンタルケアなどに時間を費やし、氷上練習も1日15分ほどに制限された。「1カ月以上、満足に練習できない期間が続き、体力面で完全復帰するまで時間がかかった」と振り返った。
アクシデントに見舞われながらも、試合では結果を残した。45試合に出場した安藤は8ゴール15アシストの23ポイントを記録。「2年目ということもあり、楽な気持ちでプレーできた。コロナで試合が少なく、練習環境も変わった中で試合数をこなせたのはよかった」と語った。
安藤は5月1日に帰国。関東圏で2週間の隔離期間を経て、同月中旬に苫小牧に入った。筋力トレーニングにいそしむ傍ら、趣味の釣りに没頭するなど、オフの時間を生かして充電している。「釣りはいい気分転換になっています」と笑みを見せた。
身長173センチ、体重70キロと小柄ながら、高いハンドリング技術と広い視野から繰り出されるパスを武器に本場の猛者と渡り合ってきた安藤。米国で培ってきた当たり負けしないフィジカルも自信になっている。「1シーズン目はフィジカル面で勝てずに個人技に持ち込めなかったけど、今年は自分のプレーをする余裕ができた」と手応えを語る。
将来については「NHLしか見ていない」。幼少期からアイスホッケーに打ち込んできた安藤にとって、アイスホッケー最高峰リーグNHLへの思い入れは強い。昨年10月にはNHLのドラフト指名が有力とリーグから発表された。「日本人プレーヤーとして活躍して日本の競技レベルやホッケーの認知度を高めたい」と力強く語った。