新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、苫小牧市は20日の記者会見で、すでに始めた高齢者向けの接種の予約件数が想定を大きく上回っているため、個別、集団の両接種体制の拡充を検討していることを明らかにした。岩倉博文市長は21日にも市医師会と具体的な対策について詰めの協議をする予定とし、「必要なワクチンの量は確保されている。いましばらく、予約が取りやすくなるまでお待ちください」と呼び掛けた。
市によると、市内で12日から始まった高齢者のワクチン接種予約状況は、6月末までに1回目が2万2100件、2回目が3515件に上る。担当者は「接種は当初想定した全体の6割を超える見込み」と説明し、予約枠拡大に向け集団、個別接種の体制強化を検討する。また、高齢者施設入所者対象の巡回接種は、各施設の協力医療機関で対応できなかったり、協力医療機関がなかったりした場合、市保健センターの医療従事者による巡回接種を来週から始めるとした。
集団接種の予約日は8月まで及んでいるが、桜田智恵美健康こども部長は「予約日をさらに早めることができる可能性がある」とし、希望する高齢者には7月末までに接種完了を目指す考えを強調した。