道内で新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、苫小牧市立病院は12日までに、コロナ患者を受け入れる感染症病棟を現状の16床から増床する方針を固めた。道の要請を受けた措置で、人員確保のため新たに一般病棟1病棟48床の休止に踏み切る。一般患者の受け入れ病床数は減ることになるが、地域医療のため周産期医療は維持するとしている。増床は来週中にも行う考え。
道は今週に入り、入院医療体制の確保病床数の「フェーズ」を最高レベルの「3」に引き上げ、道内の受け入れ病床を3割増やす方針を表明。市立病院も東胆振唯一の感染症指定医療機関として増床を決めた。
同院の感染症病棟は現在16床。増床数はまだ公表できないとしている。当初は4床だったが、これまでに病棟8棟(382床)のうち2病棟94床を休止し、段階的に12床まで拡大。4月30日に4床増の16床としていた。担当者は「一時、16床も満床になる状況があった。自宅療養の感染者も増えており、体制を強化する必要があると判断した」と説明する。
今回の増床に伴い、一般病棟の48床が休止になるため、王子総合病院を中心に他の医療機関に改めて状況を文書で伝え、救急対応を含め協力を求めた。市立病院の担当者は「(一般病床の休止は)非常につらい判断だが、影響が最小限になるように進めたい」としている。