道と札幌市などは6日、新型コロナウイルスの感染者が新たに320人確認され、5人が死亡したと発表した。このうち札幌市では251人の陽性が判明し、同市の日別の新規感染者数としては2日(246人)を上回り過去最多を更新。感染力が強いとされる変異株への置き換えが加速し、道内の中心都市で歯止めがかからない状況が続いている。
道は5日に同市を対象とする特措法上の「まん延防止等重点措置」を申請し、7日に政府が適用を決定する見通し。さらに同市の飲食店を対象に営業時間短縮要請を1時間繰り上げて午後8時まで(酒類提供は午後7時まで)などとする新たな特別対策も、6日から始まった。
札幌市は、過去最多の251人の感染を確認。市内の運輸業を営む会社の社員寮で新たなクラスター(感染者集団)が発生し、29人(入寮者22人、関係者7人)の陽性が判明。通所介護事業所でも12人(利用者8人、従業員4人)の感染が分かり、クラスターと認定された。
道は、48人の感染を確認。内訳は、胆振管内4人(室蘭、登別市各1人など)のほか、石狩管内33人(千歳市8人、恵庭市4人など)、後志、オホーツク両管内各2人、札幌市居住2人、空知、渡島、釧路、根室4管内各1人、栃木県居住1人。石狩市の石狩南高校でクラスターが発生し、生徒5人の陽性が判明。石狩管内の介護事業所でも7人(利用者6人、職員1人)の感染が分かり、クラスターとなった。
小樽市は、6人の感染を確認。小樽桜陽高校でクラスターが発生し、生徒5人の陽性が判明した。
旭川市は13人、函館市は2人の感染を確認した。
死亡を確認したのは、札幌市が3人(80代男女)、道が居住地非公表の1人(80代男性)、旭川市が1人(年代・性別非公表)。
道内の死者は累計で883人、感染者は延べ2万5524人(実人数2万5453人)となった。
また、道と札幌市、小樽市は、変異株疑いの感染を新たに64人(うち札幌市56人)確認したと発表。これで道内の変異株陽性者は国立感染症研究所などの解析で確定済みの279人を含め、計2313人となった。
道内で治療を終えて回復したのは2万2210人。6日現在の患者数は2431人で、重症は24人。5日時点の入院患者の病床利用数は、前日から33床増えて748床となっている。
全道の新規感染者数も2日(326人)に次いで過去2番目を記録するなど、高止まりが続く。道は「まん延防止」の政府の適用判断を待たず、6日から札幌市内の事業所に対してテレワークの7割の実施や、飲食店の時短要請を強化するなど、独自の特別対策を開始。11日まで継続する。