道と札幌市などは2日、新型コロナウイルスの感染者が新たに326人確認され、6人が死亡したと発表した。日別の新規感染者数が300人を上回るのは昨年11月20日(304人)以来、約5カ月半ぶりで過去最多。このうち札幌市も246人の感染を確認して過去最多となった。道は4月24日からゴールデンウイーク(GW)特別対策を継続中だが、歯止めがかからない状況が続く。道内では感染拡大の「第4波」が到来しようとしている。
札幌市は特措法上の「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請するよう道に求める姿勢で、3日にも秋元克広市長と鈴木直道知事が会談する。ただ、道は適用要請に慎重姿勢を崩していない。
死亡を確認したのは、札幌市が5人(50代~70代男性3人と80代男女2人)、旭川市が1人(年代・性別非公表)。
道は、47人の感染を確認。内訳は、安平町2人(20代男性と50代男性)を含む胆振管内7人のほか、石狩管内31人(恵庭市6人、千歳市3人など)、空知管内4人、渡島管内3人、釧路、根室両管内各1人。
札幌市は、246人(再陽性2人含む)の感染を確認。市内の医療機関で新たなクラスター(感染者集団)が発生し、職員5人の陽性が判明。介護老人保健施設でも6人(利用者など3人、従業員3人)の感染が分かり、クラスターに認定された。また、市は感染症対策本部会議を開き、人出抑制のため当面の間、円山動物園など市有施設を準備が整い次第、原則休館すると発表した。
旭川市は、19人の感染を確認。大西病院(入院患者ら6人感染)と高齢者デイサービス施設(利用者ら11人感染)で、新たなクラスターが発生した。
函館市は10人、小樽市は4人の感染を確認した。
また、道と札幌市、旭川市、小樽市は、変異株疑いの感染を新たに86人(うち札幌市76人)確認したと発表。これで道内の変異株陽性者は国立感染症研究所などの解析で確定済みの253人を含め、計1977人となった。
道内の死者は累計で867人、感染者は延べ2万4676人(実人数2万4607人)。治療を終えて回復したのは2万1795人。2日現在の患者数は前日から251人増の2014人で、重症は23人。1日時点の入院患者の病床利用数は645床となっている。
道は同日夕、緊急記者会見を開き、道内の感染状況を説明。広島孝保健福祉部技監は「変異株の増加で、若年層を含め幅広い年代に感染が広がっている」と指摘。感染が急拡大する札幌は都市構造上、人の往来が多く「ここで札幌の感染を抑えなくては全道各地に広がり、爆発的な感染につながる」と道民に警戒を呼び掛けた。札幌市内の飲食店への営業時間短縮要請など11日までを期限とする道のGW特別対策の「効果を見極めていくが、これでいいかは考えていかなければならない」と述べた。
1日は180人苫小牧で3人
道などが発表した1日の新たな感染者は180人(うち札幌市141人)、死亡は札幌市の1人(50代男性)だった。道は25人の感染を確認し、胆振管内は苫小牧市の3人(30~50代男性会社員)の陽性が判明。札幌市の大学(学生ら9人感染)と旭川市の小学校(児童ら5人感染)でクラスターが発生した。