東胆振唯一の感染症指定医療機関、苫小牧市立病院は4月30日、道からの感染症病床数の拡大要請を受け、12床から16床へ増床した。佐々木薫事務部長は「4月下旬、一時的に12床が満床近くなることもあった。現在は(16床のうち)6割ほどの利用率」と説明した。増床による新たな診療制限は行わない。
同院は胆振管内で初めて感染者が確認された昨年2月下旬以降、感染症病棟を設けて患者を受け入れ、診療の一部を制限しながら増床するなど、同年4月下旬に感染症病床数を12床とした。一時的に満床に近い状況もあったが、昨年12月に職員の感染が確認されたことや、増床には人材確保も必要なことなどから、道は増床の要請を見送っていた経緯がある。
佐々木事務部長は「今回は大きく体制を変えなくともできたが、これ以上の増床は周産期や緊急医療とのバランスが難しくなる」と述べ、感染拡大防止の重要性を訴えた。現在は市内の高齢者施設で発生したクラスター(感染者集団)に対応中で、「重症化リスクの高い患者が増えている」とした上で、「入院患者に限定すると、この1週間で検査した患者の多くが変異株の疑いがある」と警戒感を示した。