27日から苫小牧市の高齢者宅に、新型コロナウイルスのワクチン接種券が届き始めた。28日に予約申し込みが始まり、高齢者からは「すぐに申し込みたい」と歓迎する声が相次ぐ一方、副反応などの影響から判断を迷う人もいる。
表町の大門千勢子さん(84)はワクチンを「打ちたい」と希望する。一区町内会の老人クラブ「明朗クラブ」の会員で、月1回ペースで参加する茶話会の話題はコロナやワクチンの話で持ちきりだ。「副反応も心配だけど、感染を広げない意味や安心できるという意味で、メリットは大きい」とみている。
北星町の荒川玲子さん(81)も「(ワクチンを)打ちたいので、すぐに申し込む」と話す。子育てサークル活動や地域活動などで、乳幼児から高齢者まで幅広い年代の人々と会う機会が多く、毎年インフルエンザのワクチン接種を受けるなど、感染症対策に力を入れてきた。「接種に抵抗は感じない。これからもいろいろな活動に取り組みたいので、できる限りの対策を取りたい」と強調する。
一方、糸井の自営業石川正剛さん(83)はワクチン不足の報道などを受けて「人を押しのけてまで打ちたいとは思わない」と困惑する。「経済的に国を支える若者や中堅こそ優先して打つべき。自分は最後でいい」との考えを示す。
のぞみ町の村上亀太郎さん(95)も「迷っている」と明かす。「慌ただしい中で生まれたワクチンに効果があるのか、正直怪しんでいる」と安全性を不安視。自宅に届いた接種券を眺めながら「今後の状況を見ながら慎重に判断する」と冷静に受け止めた。