道は23日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、変異株の増加などで感染が急拡大する札幌市を中心とするゴールデンウイーク(GW)特別対策を決定し、鈴木直道知事が記者会見し発表した。27日から5月11日まで札幌市内全域の飲食店(カラオケ店含む)に営業時間短縮を要請するほか、24日から5月11日までは同市内の学校の部活動を原則休止することも求めた。また、知事は改正特別措置法に基づき、同市を対象区域とする「まん延防止等重点措置」の国への要請を検討することも表明した。
札幌の飲食店への時短要請は2月末に解除以来、約2カ月ぶりの再要請となる。営業時間は午後9時までだが、酒類提供は午後8時までとした。要請に協力した事業者には支援金も支給。中小企業には1日当たり2万5000~7万5000円。大企業には売上高の減少額に応じて1日当たり最大20万円を支給する。
この他、部活動については「十分な感染対策が取られた大会への参加など、学校が必要と判断する場合」を除き、原則休止を要請。札幌市内の道立・市立の公共施設についても、一部夜間休館や利用制限を実施する。また、経済団体と連携し、テレワークや時差出勤のより一層の徹底を図り、目標値として「6割の実施」を掲げた。
さらに知事は「これまでとはフェーズ(段階)を切り替え、人と人との接触を徹底的に抑える」と強調。これまで「感染リスクを回避できない場合」としていた条件を外し、札幌市を対象とする外出・往来自粛要請を「通院や買い出しなど、生活や健康のために必要なものを除いてお願いする」と一段、強めることを説明した。
全道の新規感染者数(直近1週間)は23日、人口10万人当たり「15・6人」となり、道が「まん延防止等重点措置」を要請する目安の一つとしていた「15人」を超えた。知事は「札幌市における厳しい感染状況、医療提供体制を踏まえ、札幌市などと協議し、国への要請に向けて速やかに検討を進めていきたい」との姿勢を示した。
特別対策について、知事は「先手、先手で緊急事態宣言地域における強い措置も一部先取りした道独自の対策」と強調。「札幌市の感染拡大を抑えなければ、変異株も含めて全道への感染拡大につながり、本道の医療提供体制に大きな影響を与える」と指摘し、「今がまさに正念場」と札幌市民や道民に協力を求めた。
■ゴールデンウイーク(GW)特別対策の要点
【4月24日~5月11日】
・札幌市内において不要不急の外出を控える(生活や健康維持のために必要なものを除く)。
・札幌市との不要不急の往来を控える。
・経済団体と連携しテレワークや時差出勤を徹底(目標6割の実施)。
・札幌市内において学校が必要と判断する場合を除き、部活動は原則休止。
・札幌市内の大学・専門学校ではオンライン授業の活用やクラスを分割した授業の実施。
・札幌市内の道立・市立の公共施設の一部夜間休館や利用制限の実施。
【4月27日~5月11日】
・札幌市内全域の飲食店・カラオケ店を対象に営業時間短縮を要請。営業時間は午後9時まで、酒類提供時間は午後8時まで。