アイスホッケーアジアリーグのジャパンカップを制した王子イーグルス(現レッドイーグルス北海道)が、3月28日に本拠地白鳥王子アイスアリーナ=苫小牧市=で行われたジャパンカップ対横浜戦を最後に2020~21シーズンの戦いを終了した。新型コロナウイルスやクラブ化発表など激動のシーズン下で有終の美を飾ったチームの主将・DF山下敬史(33)に思いを聞いた。
―ジャパンカップ優勝を見事達成した。
素直にうれしい。ジャパンカップ最終戦がホームの苫小牧であり、セレモニーなどを通じて優勝した自分たちの姿をファンの方々に披露できたのも本当に良かった。
―3月20日の優勝決定後にあった3戦を全勝した。
順位が決まっても気を緩めることなく、今季チームとして取り組んできたことを継続して発揮することができた。選手一人ひとりが精神面で成長した証しだと思う。
―1月以降のジャパンカップ後半戦は10試合で9勝1敗と強さを見せつけた。
まず新型コロナウイルスの影響で昨年末の東北戦(苫小牧)2試合が中止。年明けも中止や日程変更が多くコンディションを整えるには難しい状況ではあったが、試合感覚を失わないよう紅白戦などチーム内で競い合いながら、試合に向けてモチベーションを保つことができたのが結果につながった。
―2季目の主将業を全うして。
キャプテンだから特別なことをしたということはない。何も言わなくても各自で考え、行動したチームメートに助けられた。ただ、敗戦後や休養明け最初の練習など、少しでも雰囲気が良くないと思えば副主将を含めたリーダーズグループで会議を開いて、改善を促すようにした。
―プレー面では今勇輔(22)、ハリデー慈英(24)の若手DFとコンビを組んだ。
自分なりにうまく引っ張っていけたと思う。単にミスを責めるのではなく、プレーの幅を広げられるようなアドバイスを心掛けてきた。ハリデーはチーム戦術にうまく対応できるようになった。今は、後半戦こそ出場機会が減ったが、落ち着いてプレーできるしハードにも戦える。悔しさを来季にぶつけてほしい。
―王子イーグルスは3月末で95年の長い歴史に幕を閉じた。
自分自身、苫小牧で生まれ育って小学生の頃から当時の王子製紙スケートセンターなどによく練習や試合を見に行った。(駒大苫小牧)高校卒業後の2006年に入団し、きょうまで15年間憧れのチームでプレーして王子として最後の試合にも出場できたことは誇り。
―クラブ化への意気込みを。
まだどういったチームになっていくのか想像がつかない部分もあるが、王子時代に良かったところは継承していきたい。