道路建設 今季2冠―全日本女子アイスホッケー選手権

  • アイスホッケー, スポーツ
  • 2021年3月15日
日本チャンピオンとなった道路建設ペリグリン=14日、札幌市月寒体育館
日本チャンピオンとなった道路建設ペリグリン=14日、札幌市月寒体育館
最優秀選手賞に選ばれ記念トロフィーを受け取る道路建設のFW早川=14日、札幌市月寒体育館
最優秀選手賞に選ばれ記念トロフィーを受け取る道路建設のFW早川=14日、札幌市月寒体育館
決勝〔道路建設ペリグリン―トヨタシグナス〕1ピリ、トヨタゴール前の攻防=14日、札幌市月寒体育館
決勝〔道路建設ペリグリン―トヨタシグナス〕1ピリ、トヨタゴール前の攻防=14日、札幌市月寒体育館

 第40回全日本女子アイスホッケー選手権大会(日本アイスホッケー連盟主催)最終日は14日、札幌市月寒体育館で苫小牧勢が対決する決勝が行われ、道路建設ペリグリンがトヨタシグナスにペナルティーショット(PS)戦の末、3―2で勝利し、第38大会に続く2連覇と20度目の優勝を果たした。7年ぶりに決勝に進出したトヨタは初優勝を逃した。3位決定戦はSEIBUプリンセスラビッツ(東京)がDaishin(釧路)を6―1でかわした。最優秀選手賞には道路建設のFW早川愛珠(はやかわ・あんじゅ)が選ばれた。

 道路建設がPS戦に及ぶ激闘を制した。2点を追う3ピリ8分に1点を返し、同17分はDF富田がゴールを決めて振り出しに戻した。延長戦にもつれたが両チーム譲らず、5人ずつで行うPS戦に突入。3人目のFW早川が唯一の得点に成功し、そのまま逃げ切った。トヨタは2ピリまでで2点を先行したが、終盤で追い付かれた。

 道路建設は2月に閉幕した第9回日本リーグ初優勝と合わせ、今季2大タイトルの2冠も達成。

 順位決定戦の結果、5位釧路ベアーズ、6位帯広クレインズレディース、7位VORTEX札幌アイスホッケークラブ、8位高須クリニック御影グレッズ(十勝管内清水町)となった。ベスト6はGK増原海夕(道路建設)、DF小池詩織(同)、桜井芽愛(トヨタ)、FW高涼風(道路建設)、米山知奈(同)、獅子内美帆(トヨタ)の顔触れ。最優秀新人賞はDaishinGK川口莉子。

 14日

 【決勝トーナメント】

 ▽決勝

 道路建設ペリグリン3―2トヨタシグナス

 ▽得点者【道】水橋(大滝、高)富田(黒須)早川【ト】三浦(獅子内、志賀葵)獅子内(藤本、三浦)▽GK【道】増原【ト】佐々木

 ▽3位決定戦

 SEIBUプリンセスラビッツ6―1Daishin

 【順位決定戦】

 ▽5位決定戦

 釧路ベアーズ3―1帯広クレインズレディース

 ▽7位決定戦

 VORTEX札幌アイスホッケークラブ5―2高須クリニック御影グレッズ

 13日

 【決勝トーナメント】

 ▽準決勝

 トヨタシグナス1―0Daishin

 ▽得点者【ト】桜井芽(獅子内、志賀葵)▽GK【ト】佐々木【D】川口

 道路建設ペリグリン3―2SEIBUプリンセスラビッツ

 ▽得点者【道】小池(大滝、米山)早川(山下)早川【S】床亜(永野元、岩原)関(宮崎、小山)▽GK【道】増原【S】外崎

 【順位決定戦】

 ▽1回戦

 釧路ベアーズ6―0VORTEX札幌アイスホッケークラブ

 帯広クレインズレディース4―0高須クリニック御影グレッズ

 ―20回目の優勝、道路建設 伝統の底力みなぎる

 「ペリグリンは強かった」―。試合後にあったインタビューの開口一番に寺尾監督が実感を語った。全日本選手権最多20回目の優勝と2月に帯広市で決勝が行われた女子日本リーグとの2冠を達成。厳しい勝負が続く中で、日本の女子アイスホッケー界に誇る底力がみなぎった。

 0―2で2ピリを終えた展開は1―2で敗れた12日の予選1位決定戦と同様だったが、終盤の猛チャージで本領を発揮した。3ピリ開始前のチームの雰囲気についてDF水橋主将は「絶対に勝つという一体感が生まれていた」と振り返った。

 3ピリ8分でゴール前のリバウンドを押し込んで1点差。残り3分でDF富田のロングシュートが同点弾となった。5分間の延長戦も決着が付かずに突入したPS戦で3人目の17歳のFW早川がゴールネットを揺らし、これが決勝点となった。寺尾監督に「ラッキーガール」と評され、MVPにも輝いたヒロインは「ベンチの盛り上がりを見て決めたことを実感した」と歓喜の瞬間を振り返った。

 先の日本リーグファイナルトーナメント以来、好調を堅持してきたGK増原は今季初のPS戦にも物怖じせず、堂々としたセービングを披露。5連続セーブで優勝を決めた19歳の正GKは「まったく緊張せず落ち着いて抑えることができた」と貫禄を見せていた。伝統の強さの中で若い力が輝いた。

 ―トヨタ・今監督 「選手の成長感じた」

 今隆之監督 王者の底力を感じた。延長戦ではチャンスはつくれたが決め切れなかった。チャレンジャーとしてペリグリンをここまで追い詰める試合ができて選手の成長を感じた。

 藤本もえこ主将 1ピリで反則が重なって思うような攻撃ができなかった中で、ピンチを乗り切ってゴールにつなげられた。最後はペリグリンの粘りに負けてしまったが、次こそはレベルアップしたチームでリベンジしたい。

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