和光中学校アイスホッケー部がこのほど、苫小牧市の白鳥王子アイスアリーナで卒業記念メモリアルマッチを開いた。2020年度に出場予定だった北海道(昨年12月、市内)、全国(今年2月、青森県八戸市)の両大会が新型コロナウイルスの影響で中止された3年生部員に「花道を」と企画。歴代のOB・OGも多く駆け付け、卒業する3年生の門出を祝った。
学びやを巣立つ3年生5人を含んだ在校生チームと、開催日2週間前から体温チェックなど感染症対策を万全にしてきた歴代卒業生選手、アジアリーグ経験者の追切慎吾(元王子)、山田佑哉(元東北)両コーチが加わる卒業生チームが3ピリオド制の試合を展開した。
激しい点の取り合いとなった。実力者ぞろいのOB・OGチームが第2ピリオドまでに6―4でリード。対する在校生チームは3ピリ前半にFW飯塚創哉、柳橋絆士ら3年生が連続得点し7―6と一時試合をひっくり返したが、その後は4連続得点され7―10でOB・OGチームに軍配が上がった。
2017、18両年の全国大会連覇をはじめ、苫小牧市内勢最多となる計6度の日本一に輝いている名門和光。2季連続で東胆振唯一の単独チームとして挑んだ今年度は、四つあった市内大会すべてを全勝で優勝した。冨田捺幹監督が「体を張ったプレーで仲間を鼓舞する頼もしい代」と表現する3年生を柱に無類の強さを誇ったが、感染症の猛威によって集大成の舞台を相次ぎ失った。
主将だった飯塚は「最初は悔しさ、悲しさが全部こみ上げた」と言うが、「それ以上に全勝という目標に向かってチームメートと頑張ってきた日々はとても充実していた」と振り返る。
4月からは5人ばらばらに道内外の強豪高校へ進み、良きライバルとなる。「インターハイ(全国高校総合体育大会)で戦える日を楽しみにしている」と飯塚はにこりと笑う。冨田監督は「和光で培った努力することや仲間と協力することなどを忘れず、人間性の土台の上に技術を乗せられる選手になってほしい」と期待する。
これからのチームを背負って立つ下級生8人は2月の新人大会で他校と合同を組んで戦った。21年度の単独校編成が可能かは不透明だが「技術の高い選手ばかり。頑張ってほしい」と飯塚はエールを送った。
―経験糧に次の舞台へ、将来への抱負
GK糸金慶音=駒大苫小牧高進学= 1年生から試合に出たい。高校は選手のシュートや動きがより速くなる。食らい付いていきたい。
DF手代木比呂=北海高進学= 仲の良い先輩がいるので北海に決めた。守りのポジションでも得点に絡むことができる選手になりたい。
FW飯塚創哉=早稲田実業高進学= 先輩たちのいいところを吸収して、さらに自分を高めていきたい。
FW久保琉之介=苫小牧中央高進学= 4月に創部するので1年生しかいないけど、どこの高校にも負けないチームにしていきたい。
FW柳橋絆士=北海道栄高進学= 人数の多い強豪で1年目から活躍できる選手になりたい。