スマイルジャパン2月合宿 2月4~13日、アイスホッケー・ナショナルトレーニングセンターの白鳥王子アイスアリーナ=苫小牧=で行われた。期間中に11都府県に発令されていた緊急事態宣言に伴い、道路建設ペリグリン、TOYOTAシグナス、Daishin、帯広クレインズレディースなどの道内選手16人のみが参加した。2020~21シーズン、代表候補が集まる合宿はこれで4回目。5回目となる次回は道外勢も参加して今月16日から開始する予定。
2022年の北京冬季五輪で日本勢の全競技を通じて最初に出場権を獲得したアイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」は新型コロナウイルスの影響で諸外国チームとの試合を行えないままの多難を抱えつつも強化に励んでいる。2月に苫小牧で行われた合宿は首都圏などに発令された緊急事態宣言を受けて道内居住の代表候補のみが参加した。難しい活動を強いられる中で五輪メダル獲得を目指すチームを指揮する飯塚祐司監督(元王子製紙アイスホッケー部FW)に現状や展望をインタビューした。
―2月合宿は道内勢選手だけで行われた。
参加人数が限られたことでイメージしていた合宿ではなかったが集まったメンバーでゲーム形式の練習を一定程度積めた。このような状況で合宿ができたことは前向きに捉えたい。
―五輪前の遠征ができていない。
なるようにしかならないと思っている。欧州の代表チームは近隣国と強化試合をやっていて、試合の内容は映像でチェックするようにしている。国内では男子高校生との練習試合を組んでいるが、女子同士の実戦の中での具体的な課題が見えないので海外遠征は必要だ。2019年のカナダ遠征では10日間で5試合というハードスケジュールをこなした結果、チームが力を付けた経験もしていた。次にできる遠征があるとすれば過密な日程を組んででも強化するつもりだ。
―今季は昨年9月から4度の合宿を終えた。手応えは。
得点力向上を重視した練習をしてきたが、試合ができていないのでどの程度まで完成されているかを測れない。心肺能力や筋力といった数値として測定できる部分については上昇が見えていて、いい強化ができている。
―北京五輪でのメダル獲得には世界ランキング1位の米国や2位のカナダ、3位のフィンランドといった3強打破がカギとなる。
ボディーコンタクトやシュート、1対1のプレーの強さではまだ差がある。まずは戦える体を完成させることが必要。3強との試合では守備の時間は長くなる。少ないチャンスとなるパワープレーの精度を磨いて確実な得点につなげたい。
1カ月延期の後、5月には世界選手権がカナダで開催される。抱負は。
対外試合の絶好の機会と捉えている。26年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪出場のためのポイントを稼ぐためにも一つでも上の順位を目指す。その先の北京五輪でも前回8チーム中6位以上の成績を残せるように強化していきたい。