守備光る道路建設、念願の初V―【IH女子日本リーグ総括】 トヨタ4位からの浮上期す

  • アイスホッケー, スポーツ
  • 2021年3月4日
優勝し、ゴールに集まって喜びを分かち合う道路建設=2月28日、帯広の森アイスアリーナ
優勝し、ゴールに集まって喜びを分かち合う道路建設=2月28日、帯広の森アイスアリーナ
3位決定戦でDaishinゾーンへパックを進めるトヨタシグナス=同、同
3位決定戦でDaishinゾーンへパックを進めるトヨタシグナス=同、同

 アイスホッケーの第9回女子日本リーグは2月26~28日、帯広の森アイスアリーナでファイナルトーナメントが行われた。苫小牧の道路建設ペリグリンが決勝でSEIBUプリンセスラビッツ(東京)に2―0で勝ち、念願の初優勝を果たした。トヨタシグナスは3位決定戦でDaishin(釧路)に3―6で敗れて4位に終わった。新型コロナ禍に揺れた中でシーズンは最終盤を迎え、11日には札幌で第40回全日本選手権が開幕。当地勢両チームがタイトル獲得に挑む。

 (石井翔太)

 日本リーグファイナルトーナメントには国内9チームが出場。昨年までに2次にわたるリーグが行われ、2次リーグ時点のAプール4チームとBプール5チームの順位に基づく組み合わせのプレーオフが繰り広げられた。

 決勝は5年連続同一カードとなり、道路建設は大会が始まって以来8連覇中だったSEIBUプリンセスラビッツを完封の上で破った。パックハンドリングにたけたSEIBU主力に対し、徹底したマークでゴールのきっかけを与えなかった。今回3試合中、決勝までの2戦を0点に抑える鉄壁の守備が光った。

 試合前のミーティングではSEIBUの強力な各セットへの対応策を入念に確認し、寺尾監督が「対等に戦えるはずだから引かずに前に出て守ろう」と呼び掛けたという。得点力がある敵主力に当てるようにしたセットの機動力が効果を上げて、「指示したことを忠実にプレーで表現してくれた」と語った。

 0―0で迎えた第2ピリオド4分すぎの先制点は反則で2人多いパワープレーの状況下。DF水橋優花主将は「先制できて少しほっとした」としながらも「1ピリで得点できていればさらに優位に立てていた。もっと積極的な攻撃ができれば」と貪欲だ。

 全日本選手権ではリーグ制覇に続く2冠を目指す。決勝へ到達すれば4試合を戦うことになり、寺尾監督は「12ピリオドを浮き沈みなく戦えれば優勝は見えてくる」とメンバーの働きに期待をかけている。

 トヨタは日本リーグでは初となる決勝進出を今回も逃した。準決勝ではリーグ8連覇を果たしていたSEIBUに1―4で敗れ、3位決定戦でもDaishinに3―6でかわされた。

 敗れた2戦では決定力不足が課題に浮上した。SEIBU戦ではゴール前までパックを持ち込んでも枠を捉えたシュートが少なかった。今隆之監督は「キーパーに当てて、リバウンドを出させるようなシュートを打っていかないと点にはつながらない」と指摘する。

 パックを奪回した場面でも後のパスがつながらず、カウンターを許して失点する場面も散見。FW藤本もえこ主将は「速攻の形はできていた」としながらも「パスがつながらず決定的なチャンスをつくれなかった」と悔やんだ。

 準決勝と3位決定戦で計10失点を喫した守備について今監督は「2点以内に抑えることが必要」と強調する。修正をかけて全日本選手権に全力を振り絞る構えで「時間はないが、実戦に近い練習を繰り返して力を付けていきたい」と語った。

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