胆振管内で新型コロナウイルス感染が初めて確認されてから、22日で1年を迎えた。昨年2月22日から今年2月21日までの新規感染者数は789人。昨年10月からクラスター(感染者集団)の発生も相次ぎ、事業所や学校、高齢者施設など18カ所。昨年12月には国が示す最も深刻な感染状況の基準「ステージ4」をも超えた。最近は感染者数は抑制傾向だが終息は見通せず、引き続き感染防止対策の徹底が求められている。
胆振管内の週別新規感染者は、道の発表を基に苫小牧民報社がまとめた。毎週月曜から日曜までを集計して傾向を示したため、道が公表する直近週別まとめなどとは数値が異なる。
胆振管内の感染初確認は昨年2月22日。道内で1月28日に感染を初確認したばかりで、当時は道内9例目と比較的早かったが、週別感染者は2月下旬~9月中旬、0~5人で推移した。道の緊急事態宣言(2月28日~3月19日)、国の緊急事態宣言(4月16日~5月25日)による感染対策強化などもあり、感染拡大は一定程度抑えられていた。
感染が急拡大したのは9月の4連休(19~22日)以降。政府の観光需要換気策「Go To トラベル」などで人の往来も活発になる中、10月上旬に自動車部品製造業が管内初のクラスターに認定。週別11人と初めて2桁に乗った。10月は管内の清掃業、市内の高校でもクラスターが発生した。
新規クラスターは11月以降、今年1月まで各月5件ずつと相次いで発生。医療機関や高齢者施設、保育園をはじめ、事業所の社員寮、接待を伴う飲食店、個人宅の懇親会など多岐にわたった。12月上旬に週別107人と3桁の大台に乗り、同中旬にピークの126人に達するなど、国の「ステージ4」を超える状況だった。
ただ、年末年始の感染再拡大と対策の再徹底を受けるように、1月下旬からは減少傾向に。2月8日の週は8人と、16週間ぶりに一桁となった。2月は月別感染者数も19人で、1日当たりの平均感染者数も1人を下回っている。苫小牧保健所は「一人一人の感染意識、対策が数字になって表れている」としつつ「まだ終息したわけではない。気を緩めず対策を」と求めている。