東胆振唯一の感染症指定医療機関、苫小牧市立病院はコロナ治療の最前線に立ち続けている。感染症病床は個室4床で始めたが、市内で感染者が相次いだこともあり、昨年4月に感染症病床12床、集中治療室(ICU)1床に強化した。
同病院への入院は4~5月が平均3人程度、感染が急拡大した10~11月は同6人程度で推移。一時期は満床に近い状況もあったが、昨年12月に同病院でも感染者が出たことなどから、道は増床の要請を見送った。
ただ、道内全体で「ベッドコントロール」し、患者の受け入れ先を札幌市の療養施設を含めて振り分ける他、胆振管内の民間医療機関で病床を確保するなど、病床が逼迫(ひっぱく)しないよう努めている。
苫小牧市医師会(沖一郎会長)も感染拡大防止に尽力した1年だった。昨年5月に苫小牧PCR検査センターを、11月に機能を拡充した苫小牧発熱検査センターと、小児発熱検査センターを開設。感染に疑いがある人の相談や受診、病気の判定をより迅速にした。
PCRセンター時代は494人(道検査分を除く)、1日平均4・5人程度を検査。発熱センターは11月2日から19日までに1326人、1日平均17・9人を検査。インフルエンザとの同時流行も懸念された中、積極的に検査を進めることで、感染拡大の抑え込みを図っている。