アイスホッケーアジアリーグの王子イーグルスは20、21両日、青森県八戸市のフラット八戸で東北フリーブレイズとのジャパンカップアウェー戦に臨む。新型コロナウイルスによる相次ぐ日程変更で2週連続対決となった。13、14両日のホーム各戦で得点し、連勝に貢献したCF大澤勇斗(27)は「優勝するためには一戦も落とせない。また連勝したい」と闘志をたぎらせる。
持ち味が集約された2ゴールだった。13日の対東北3回戦は、1点ビハインドの第2ピリオド13分すぎ、1人多いパワープレーで相手GKの足元にこぼれたリバウンドを見逃さず反撃の口火を切るゴール。翌14日の4回戦では1ピリ2分すぎのゴール前混戦で倒れ込みながらも先制点を奪い、9―3の快勝劇につなげた。
試合前までの今季成績は20アシストと他選手のゴールを幾度となくお膳立てしてきた一方、得点はわずかに2点。昨季のレギュラーリーグでチームトップタイの14点を挙げた実力は影を潜めていた。「チャンスはたくさんあったのに決め切れていなかった。ホームで2得点できて気持ちが軽くなった」と笑みをこぼす。
駒大苫小牧高から2012年に王子入団。同年度をスウェーデン国内のリーグで過ごすと、16年から再び海を渡り米国やフィンランドなどで3季にわたって武者修行した経験を持つ。米国時代には所属先からわずか1カ月で戦力外通告される厳しさも味わったことで「日本とは違い一日一日の生活が懸かった中で、プレーや精神面でよりタフになることができた」。
5人1組のセットを統率するセンターポジションながら身長182センチ、体重86キロの体格を生かしたゴール付近での体を張ったプレーは一級品と言える。菅原宣宏監督は「どんな場面でも力を発揮してくれるチームに不可欠な存在。数字に表れない貢献度も人一倍高い」と評価する。大澤は「役割の変化はあるが、もう少しゴール数を伸ばしたい。次の東北戦も相手以上にハードワークをしていく」と力強く語った。