王子、ホームで東北に連勝―アイスホッケージャパンカップ 2位日光との差3ゲームに

  • アイスホッケー, スポーツ, レッドイーグルス
  • 2021年2月15日
4回戦〔王子―東北〕2ピリ、1人多いパワープレーの好機で得点した橋場。後ろはこの試合ハットトリックの中屋敷=14日、白鳥王子アイスアリーナ
4回戦〔王子―東北〕2ピリ、1人多いパワープレーの好機で得点した橋場。後ろはこの試合ハットトリックの中屋敷=14日、白鳥王子アイスアリーナ
リンクサイドで戦況を見守る竹俣室長
リンクサイドで戦況を見守る竹俣室長

  アイスホッケーアジアリーグのジャパンカップは13、14両日、白鳥王子アイスアリーナ=苫小牧市=で2試合が行われた。王子イーグルスは東北フリーブレイズに連勝。14勝4敗で勝率を7割7分8厘に上げ、2位栃木日光アイスバックスとの差を3ゲームに広げた。東北は6勝10敗の勝率3割7分5厘と4位のまま。

 14日

   ▽4回戦

  王子イーグルス9―3東北フリーブレイズ

   ▽得点者【王】大澤(高木、山田)中屋敷(高木)佐々木(百目木、中屋敷)山下(レデンバック、久慈)橋場(中島、高橋)中屋敷(中島、百目木)中屋敷(橋本、百目木)高橋(レデンバック、三田村)高橋(レデンバック)【東】田中遼(田中豪、シモン)田中遼(田中豪、シモン)田中豪(田中遼、田中健)▽GK【王】マッキンタイア【東】畑、古川、畑▽シュート数【王】33【東】24▽反則【王】43分【東】18分▽パワープレー得点【王】2【東】2▽キルプレー得点【王】1【東】0▽観客数 818

   王子が目を見張るゴールラッシュを見せた。第1ピリオド2分すぎにFW大澤がリバウンドを押し込み先制ゴールすると、同ピリオドだけで一挙4得点。その後も攻撃の手を緩めず加点した。東北は攻守にリズムをつかめなかった。

   東北・大久保智仁監督 きのう(13日)は負けてはしまったが、ロースコアの接戦でいい試合ができた。きょう(14日)は単純で細かなミスから大きく差がついた。ミスを減らし、パス、レシーブの精度を上げて、つなぐホッケーを達成したい。八戸も2カ月ゲームがなかったので、20日からの試合を楽しみにするファンも多く、勝たなければ。王子に食らい付いていく。

 13日

   ▽3回戦

  王子イーグルス3―2東北フリーブレイズ

   ▽得点者【王】大澤(橋本、高橋)百目木(佐々木、中島)中島(百目木、橋本)【東】田中健(橋本、シモン)人里(シモン、田中遼)▽GK【王】マッキンタイア【東】橋本▽シュート数【王】57【東】25▽反則【王】8分【東】8分▽パワープレー得点【王】1【東】1▽キルプレー得点【王】0【東】0▽観客数 1027

   試合時間残り1分40秒で同点に追い付かれた王子だったが、GKを除いたプレーヤー3人対3人の延長戦4分すぎにFW中島が決勝ゴール。東北はGK橋本が奮戦するも、勝利にはあと一歩及ばなかった。

 ―王子、9得点の猛攻 自慢の攻撃力さえる

   約2カ月ぶりの本拠地戦で王子が魅せた。昨年11月の対日光戦以来の土日ホーム戦連勝を懸けた14日は持ち味の攻撃力がさえて今季2番目に多い9得点をマーク。会場に駆け付けたファンを沸かせた。この試合、アジアリーグでは自身初のハットトリックを達成し、得点ランキング首位に躍り出たFW中屋敷は「新型コロナで、いつ試合が無くなるかも分からない状況。負けたら終わるプレーオフのような気持ちで戦おうと選手全員で話し合っていた。最高です」と笑顔を見せた。

   13日は東北の大ベテランGK橋本に計57本ものシュートを浴びせながら、延長戦に持ち込まれていた。昨年12月の全日本選手権で敗れた因縁の相手。「どこか力んでしまっていた」と中屋敷は言う。

   少人数ながら試合巧者の東北に、自陣での守りも機能し切れていなかった。「各ポジションの役割をより明確に」(菅原監督)して臨んだ14日は堅い守りから攻撃のリズムをつかみ、シュート33本で9点と好機を逃さず加点できたのは大きかった。

   感染症情勢での度重なる日程変更により次節の20、21両日は敵地八戸で再び東北と連戦する。菅原監督は「次に向けたいい試合はできた。受けて立たないように仕掛けていきたい」と話す。中屋敷は「次はよりワンチャンスを決めないと厳しい試合になる」と気を引き締めていた。

 ―クラブチーム化準備室 竹俣室長が観戦

   4月の王子イーグルスクラブ化に向けた体制づくりを進める「クラブチーム化準備室」の竹俣一芳室長が14日、白鳥王子アイスアリーナを訪れ就任後初めて同チームの試合を観戦した。

   毎年首都圏開催の試合は欠かさず足を運んでいるというが、本拠地での観戦は約4年ぶり。フェンス際や観客席最上部などさまざまな場所からホームリンクを眺め、「やっぱり白鳥はいいですね」と笑顔を見せた。

   来場者は13日に1000人超え。14日こそ800人ほどにとどまったが、王子グッズを身に着けた競技ファンが連日会場を赤く彩った。「新型コロナ禍でも足を運んでくれることは本当にありがたい。こういった方々を新チームになっても大切にしていかなければ」と話す。

   今後は3月に2回ほど苫小牧入りしてクラブ化の「材料集め」を精力的に行うとした竹俣室長。ジャパンカップで首位を堅持する王子の強さに目を見張りつつ、「アジアリーグで勝てるチームづくりも必要になってくる」と意気込んでいた。

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