苫小牧市は10日、新型コロナウイルスのワクチン接種方法について、平日にかかりつけ医などの医療機関が対応する「個別接種」と、土日および祝日に市民会館で「集団接種」を進める考えを明らかにした。スケジュールは苫小牧市医師会などと協議中だが、3月にも優先して行う医療従事者の接種機会を利用して、それぞれの方法をシミュレーションする。市民は4月ごろから高齢者や一般市民など政府が示す優先順位を踏まえて行う方針だ。
市はワクチン接種の対象者を16歳以上の市民14万8000人と想定。3月から約6200人の医療従事者、来年度中に65歳以上に達する高齢者約5万2800人、基礎疾患を抱える人や高齢者施設の従事者約1万3900人などに順次接種を進めていく。
市医師会などによると、個別接種は月曜日から金曜日までの平日に各診療所などで対応する。現時点で対象医療機関は43カ所だが、来年以降の接種体制も踏まえて「協力医療機関は今後増えていく可能性もある」としている。
担当者はワクチン接種の実施に向けて「地域住民が安心して接種を受けるためにも、普段から関わっている診療所などで実施することが望ましい」と強調。かかりつけ医の場合、病歴などを踏まえた接種が可能で副反応への対応についても安心できるなどの利点があるとみられる。
市民会館で土日祝日に行う集団接種は10カ所のブースで対応する考え。いずれも完全予約制で早期の接種完了を目指す。なお、ワクチンの保管は市内旭町3の市医師会館と市民会館の2カ所とする。
この手法は東京都練馬区が作成した「練馬区モデル」とほぼ同じ方式。個別接種を中心とし、その対応が難しい人は集団接種で受けてもらう形で運用する格好だ。
高齢者施設などの入居者は巡回接種を調整して行う。対応が困難な場合、市保健センターの看護師らによる訪問対応を検討する。また、東胆振4町のワクチン接種に関しても市内で受け入れられるよう市などが協議を進めている。
市医師会は「行政機関との連携も取れており、早めに体制を整備することができた」と強調。ワクチン接種の予約方法や詳細な段取りなどを早急に進める方針としている。