新型コロナ禍の冬の高校総体が25日に幕を閉じた。今年も各競技で東胆振勢の活躍があったおかげで、充実した取材の日々を送ることができた。あとは参加選手が各地域に戻り、平穏無事な2週間を過ごすことを祈るばかりだ。
各会場で目にした選手たちの表情は、マスク越しでもどこかすがすがしく見えた。未曽有の感染症に翻弄(ほんろう)され、満足な練習が積めず、実力を試す各種大会も次々中止になった。賛否両論あると思うが、総体開催は選手たちの心の救いやコロナ禍での大会運営における手本としても意義深かったと思う。
ただ、スピードスケート5校、アイスホッケー2校、フィギュア12校が政府の緊急事態宣言発令などを受け今大会の出場を辞退。予選の地方大会が新型コロナの影響で見送られ、出場権を得られなかった選手もいる。
さらに昨年は夏の高校総体や全国高校野球選手権、両舞台に関連する各種地方大会も中止になり、集大成の成果を披露する場を失ったまま高校年代のひのき舞台から遠ざかった選手たちがいたことを忘れてはいけない。一人の記者として何かできることはないか―。高校総体閉幕の日に思いを巡らせた。
(北畠授) (おわり)